文献詳細
特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術 ■尿失禁・骨盤臓器脱の手術
091 手術時にストレステストが陰性である
著者: 島田誠1 小川雄一郎1 青木志保1 前田智子1
所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院泌尿器科
ページ範囲:P.246 - P.248
文献概要
[1]概 説
腹圧性尿失禁に対する中部尿道スリング手術は,以前は筋膜スリングなどが行われていたが,現在はTVT手術とTOT手術が主流である。どちらも基本的には同様のコンセプトだが,原法はTVT手術であり,その手術の成否は,一にも二にもテープのテンションにかかわっている。これを最適に調節するためにさまざまな方法があるが,最も一般的な方法として,術中のストレステストがあり,咳テストが一般的である。また術者が下腹部を瞬間的に強く圧して代用することも一部で行われる。しかし,ストレステストは必ずしもうまくいくとは限らず,陰性であることもしばしばであり,TVT研究会の報告では66/185名(36%)で術中の咳テスト陰性であったとしている1)。
参考文献
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