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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■尿失禁・骨盤臓器脱の手術

091 手術時にストレステストが陰性である

著者: 島田誠1 小川雄一郎1 青木志保1 前田智子1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院泌尿器科

ページ範囲:P.246 - P.248

文献概要

Q TVTスリング手術を開始した症例。術中のストレステストが陰性である。膀胱内に水を350ml注入したが,漏れる気配はない。


[1]概 説

 腹圧性尿失禁に対する中部尿道スリング手術は,以前は筋膜スリングなどが行われていたが,現在はTVT手術とTOT手術が主流である。どちらも基本的には同様のコンセプトだが,原法はTVT手術であり,その手術の成否は,一にも二にもテープのテンションにかかわっている。これを最適に調節するためにさまざまな方法があるが,最も一般的な方法として,術中のストレステストがあり,咳テストが一般的である。また術者が下腹部を瞬間的に強く圧して代用することも一部で行われる。しかし,ストレステストは必ずしもうまくいくとは限らず,陰性であることもしばしばであり,TVT研究会の報告では66/185名(36%)で術中の咳テスト陰性であったとしている1)

参考文献

1)近藤厚生,木村恭祐,磯部安朗,他:TVT手術―長所と落とし穴.臨泌 55:687-691,2001
2)Niemczyk P, Klutke JJ, Carlin BI, et al:United States experience with tension-free vaginal tape procedure for urinary stress incontinence:assessment of safety and tolerability. Tech Urol 7:261-265, 2001
3)Lo Ts, Wang AC, Liang CC, et al:Treatment for unsuccessful tension-free vaginal tape operation by shortening pre-implanted tape. J Urol 175:2196-2200, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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