icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■根治的前立腺摘除術

102 どうも直腸を損傷したようだ

著者: 濵崎務1 木村剛1 近藤幸尋1

所属機関: 1日本医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.275 - P.276

文献概要

Q 根治的前立腺摘除術を開始した症例。逆行性で前立腺を摘出したが,前立腺尖部を離断して起こしてくる際に,どうも直腸を損傷したようだ。


[1]概 説

 限局性前立腺癌に対する手術療法として,恥骨後式前立腺全摘除術が広く行われてきている。手術手技の進歩により合併症が少なくなってきているものの,なくなることはないと思われる。重大な合併症の1つとして直腸損傷が挙げられるが,その頻度は1~1.5%1~3)とされており,比較的稀ではあるものの致命的な転帰をきたす場合がある。

 特に前立腺尖部を離断して起こしてくる際に,前立腺・直腸間に豊富な脂肪があるとイメージしたまま盲目的な鉗子や指の操作で損傷することが多いように思われる。

参考文献

1)McLarenRH, Barrett DM and ZinckeH:Rectal injury occurring at radical prostatectomy for prostate cancer:etiology and treatment. Urology 42:401-405, 1993
2)Borland RN and Walsh PC:The management of rectal injury during radical retropubic prostatectomy. J Urol 147:905-907, 1992
3)Harpster LE, Rommel FM, Sieber PR, et al:The incidence and management of rectal injury associated with radical prostatectomy in a community based urology practice. J Urol 154:1435-1438, 1995
4)景山幸雄:解剖を実践に生かす.図解 泌尿器科手術.医学書院,東京,pp16-18,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら