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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻4号

2011年04月発行

特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法

Ⅳ 開腹手術 ■陰茎の手術

109 陰茎全摘除術で出血のコントロールが困難になった

著者: 香野日高1 水野隆一1 中川健1 大家基嗣1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.293 - P.295

文献概要

Q 陰茎全摘除術を施行した症例。出血のコントロールが困難になり,オリエンテーションがつかなくなってしまった。


[1]概 説

 陰茎全摘除術は,陰茎癌に対する根治的な治療法である。砕石位で会陰部を切開し,尿道,陰茎海綿体を切断して,尿道瘻を作成する手術である。化学療法が無効であることが多いため,手術によって根治的に摘除できたか否かは,患者の予後を大きく左右する1)。経会陰的アプローチでの手術は,泌尿器科医でも日常多く行われるとは言いがたいうえに,会陰の深い部位での出血は止血が困難となることもある。止血を中途半端にして閉創してしまうと術後血腫ができ,創離開につながったり,ドレーンがいつまでも抜けないなどの事態が生ずる。会陰は汗をかきやすく,感染しやすい場所であるので,患者のQOLは著しく低下し,入院期間も延長してしまう。本項では,陰茎全摘除術中に出血のコントロールが困難になった際の対処方法について論述する。

参考文献

1)Pizzocaro G, Algaba F, Horenblas F, et al:EAU penile cancer guidelines 2009. Eur Urol 57:1002-1012, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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