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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科65巻5号

2011年04月発行

文献概要

症例

IgG4関連硬化性疾患による後腹膜線維症

著者: 木村亮輔1 土井亘1 安倍弘和1

所属機関: 1静岡済生会総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.333 - P.335

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77歳,男性。両側水腎症にて近医より紹介受診した。高IgG4血症を示す後腹膜線維症であり,IgG4関連硬化性疾患と考えられた。プレドニゾロン30mg/dayの投与を開始したところ,IgG4はすみやかに低下し症状も改善した。ステロイドを漸減し2.5mg/dayを維持量としたが,臨床的再燃なく経過している。IgG4関連硬化性疾患は全身の諸臓器に線維性硬化をきたす。後腹膜線維症をみた際には,全身疾患の1部分症状である可能性も考慮する必要がある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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