臨床泌尿器科65巻9号

2011年08月発行

手術手技 指導的助手からみた泌尿器科手術のポイント・6

膀胱尿管逆流症に対する逆流防止術

著者： 山口孝則¹ 鯉川弥須宏¹ 此元竜雄¹

所属機関： ¹地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院・感染症センター泌尿器科

ページ範囲：P.627 - P.632

文献概要

要旨　膀胱尿管逆流に対する逆流防止術であるCohen法について，手術のポイント，コツについて論述した。VUR防止術を円滑な流れを持って的確に，かつ短時間で終えるコツは，①膀胱三角部の手術野を展開する工夫，②尿管剝離に際し尿管外膜と膀胱筋層との正しい剝離面で十分な長さに行うこと，③粘膜下トンネル作成の際に正確な粘膜下・膀胱筋層上を円滑に掘り進むことである。こうした点に留意すれば，本術式は合併症もなく安全確実に施行できる。

参考文献

1）山口孝則：膀胱尿管逆流．腎疾患・透析―最新の治療2011-2013．槙野博史，秋澤忠男（編）．南江堂，東京，pp257-260，2011

2）妹尾康平，山口孝則，鯉川弥須宏，他：膀胱尿管逆流防止手術の要領．臨泌 55：1105-1112，2001