臨床泌尿器科66巻12号

2012年11月発行

手術手技 泌尿器腹腔鏡手術―もう一歩，ステップアップするために・1【新連載】

後腹膜到達法による腹腔鏡下根治的腎摘除術

著者： 深沢賢¹ 小丸淳¹ 植田健¹

所属機関： ¹千葉県がんセンター前立腺センター・泌尿器科

ページ範囲：P.919 - P.923

文献概要

要旨　後腹膜到達法による腹腔鏡下根治的腎摘除術は，その独特の視野に慣れれば泌尿器科医にとって受け入れやすく，経腹膜到達法に比べて習得が容易だと考えられる。そのポイントは，①腹膜を隔てた周辺臓器を意識すること，②外側円錐筋膜を大きく切開し，腎茎部の処理を広いスペースで行うこと，③腎を腹膜から剝がす際には，周囲脂肪組織と一緒に剝離していくこと，である。当施設でもっとも行われている後腹膜側方到達法の解説をする。

参考文献

1）日本泌尿器科学会（編）：腎癌診療ガイドライン2011年版．金原出版，東京，pp30-32，2011

2）Thompson RH, Kaag M, Vickers A, et al：Contemporary use of partial nephrectomy at a tertiary care center in the United States. J Urol Mar 181：993-997, 2009

3）Zini L, Patard JJ, Capitanio U, et al：Cancer-specific and non-cancer-related mortality rates in European patients with T1a and T1b renal cell carcinoma. BJU Int 103：894-898, 2009

4）鈴木啓悦，今本　敬，市川智彦，他：後腹膜鏡下副腎摘除術―側方アプローチ．Jpn J Endourol ESWL 21：126-130，2008

5）羽渕友則：後腹膜到達法による鏡視下腎摘除術のコツ．Jpn J Endourol ESWL 21：144-152，2008

6）伊藤直樹：腎摘除術―後腹膜到達法．泌尿器腹腔鏡ベーシックテクニック．メジカルビュー社，東京，pp197-207，2007