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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科66巻3号

2012年03月発行

雑誌目次

特集 画像診断の進歩を腫瘍手術に役立てる!

副甲状腺腫瘍の手術

著者: 小出卓生

ページ範囲:P.193 - P.199

要旨 原発性副甲状腺機能亢進症の手術を難しくしているのは,病的に腫大した過機能副甲状腺の位置や数を術前に診断することが困難であるという理由につきる。普通,甲状腺後面あるいは近傍に左右2個ずつ合計4個ある副甲状腺を正常状態で画像上認識することは不可能である。原発性副甲状腺機能亢進症では,この副甲状腺の1~4個(腺腫例では1個,過形成例では複数個)が腫大し,副甲状腺ホルモンを過剰分泌する。術前の画像診断が進歩したが,副甲状腺手術がやさしくなったかというといろいろな困難が十分に解決されるに至っていない。CT,MRI,超音波断層検査カラードップラー法,MIBIシンチグラフィーを中心に副甲状腺手術における画像診断の有用性や留意点を考える。

副腎腫瘍の手術

著者: 前田雄司 ,   並木幹夫

ページ範囲:P.201 - P.205

要旨 副腎腫瘍に対する手術を考慮する場合,術前画像検査から読み取るべき情報は多い。任意の多断面再構成像を駆使して,自由な視点での対象臓器・隣接臓器観察が可能となった。また手術の形式が開放手術もしくは鏡視下手術のいずれを選択するかの判断においても,画像所見の貢献は大きい。本稿では画像評価の方法から始め,副腎周囲解剖の描出における工夫や,留意すべき所見などについて述べた。

腎細胞癌の手術

著者: 野口満 ,   佐藤勇司 ,   魚住二郎

ページ範囲:P.209 - P.214

要旨 腎癌の多くが鏡視下手術で行われており,さらに最近では鏡視下で腎部分切除術も行われるようになってきている。もちろん,癌の根治性から根治的腎摘除術が標準手術であるが,腎癌の手術療法のオプションは豊富となった。これらの術式やアプローチの選択は画像診断に基づき検討されることとなる。本稿では,画像診断からの腎癌手術の術式,アプローチ選択について概説を行った。

腎盂・尿管腫瘍の手術

著者: 近藤恒徳

ページ範囲:P.217 - P.222

要旨 腎盂尿管腫瘍は膀胱癌と異なり,膀胱鏡や経尿道的膀胱腫瘍切除術による正確な深達度,悪性度診断が難しい腫瘍である。このため画像診断による存在診断,深達度診断の意義がいまだに大きい。この領域については,これまでの形態画像診断による。特にmultidetector computed tomography urography(MDCTU)は近年のガイドラインで推奨される第一の検査である。しかし,magnetic resonance imaging(MRI)によるurography(MRU)逆行性尿路造影などもいまだに意義のある検査である。ガイドラインによれば,腫瘍存在部位,深達度,グレードが治療方針を決定する重要な因子となる。特に,存在診断における形態画像診断ではMDCTの意義が大きい。腫瘍位置のみならず,腎杯の解剖学的形態の把握などがある。しかし,深達度診断ではMDCTによりかなり正確にはなってきているが,まだ正診率が高いとはいいがたい。グレードについては尿管鏡下生検によるものが最も正確であるが,今後はfunctional MRIなどによる機能画像診断で代替できる可能性もある。このように,腎盂尿管腫瘍における画像診断は現時点では治療方針決定のために不可欠であり,今後その意義はさらに上昇すると考えられる。

膀胱腫瘍の手術

著者: 鈴木都史郎 ,   加藤晴朗 ,   横山仁 ,   西沢理

ページ範囲:P.225 - P.232

要旨 膀胱腫瘍の診断,治療において,組織の確認,深達度診断は,原則として経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)で行われる。しかしMRIやPET,膀胱鏡などの画像診断領域で,新たな技術を取り入れることによって,腫瘍の局在をより精密に把握することが可能となってきた。また治療の面でも,癌の制御に加え機能温存が重視されるようになり,切除範囲を縮小した膀胱全摘術が施行されている。本稿では,画像診断の進歩が機能温存術式の適応拡大につながると考え,これらについて解説する。

前立腺癌の手術

著者: 原智彦 ,   藤元博行

ページ範囲:P.235 - P.240

要旨 前立腺癌の画像診断はいまだ発展途上で,臨床的に満足できる情報を提供できていない。しかし,近年さまざまな新しい画像撮影法の登場により,より正確な診断が可能になりつつある。近年注目されている3.0T-MRI拡散強調画像,apparent diffusion coefficient(ADC)map,11C-choline PETなどの新しい画像診断と前立腺癌手術への応用の可能性について概説した。

精巣腫瘍の手術

著者: 中村晃和 ,   三木恒治

ページ範囲:P.243 - P.248

要旨 精巣腫瘍手術における画像診断は,質・広がり・治療効果判定に必須である。原発巣に関しては,エコーでほぼ診断可能である。転移巣については,病期診断・治療効果判定にCTが用いられる。セミノーマではFDG-PETが有用な場合があり,手術適応の決定に用いられる。化学療法後の残存腫瘍切除(主に後腹膜リンパ節郭清)について,特に重要な事項は,手術前の腫瘍サイズよりも化学療法開始前の腫瘍の大きさ,範囲を基に切除範囲を決定することである。また,後腹膜以外の転移巣についても,できるだけ切除することが望ましく,化学療法前後の画像をよく吟味したうえで,切除範囲を決定する必要がある。

後腹膜腫瘍の手術

著者: 野口純男

ページ範囲:P.249 - P.253

要旨 後腹膜腫瘍のうち泌尿器科医にとって重要な疾患は後腹膜の軟部肉腫であり,そのうち脂肪肉腫と平滑筋肉腫が約75%を占める。手術に際して重要なことは生検による的確な病理組織診断と画像診断による周辺臓器への浸潤の診断であり,これにより的確な術前計画を立てることができる。手術は周辺臓器の合併切除による腫瘍の完全切除(治癒切除)が最も理想的であり,予後を反映する。しかし,完全切除不能例においても術後の適切なfollow upにより再発病巣の早期発見と早期の切除術が治療成績の向上につながるものと考えられる。画像診断は適切な術前計画を立てるうえでは欠かせないものである。

珍しい外陰部疾患・8

陰茎癌,陰囊癌

著者: 三木誠

ページ範囲:P.188 - P.189

陰茎癌(penile carcinoma)

 わが国の陰茎癌は,男性悪性腫瘍の1%以下と稀な疾患である。古くから包茎の人に発生しやすいといわれ,事実,宗教上の理由で割礼の習慣のある人々にはほとんどみられていない。欧米の陰茎癌発症率は成人男性の癌全体の1%未満であるが,アフリカやアジアでは10%を占める国もある。発癌にはいくつかの危険因子が関与していると考えられ,真性包茎,包皮の未切除,衛生不良,喫煙,複数の相手との性行為,性器疣贅,STDの既往などが指摘されている。

 ところで,陰茎癌のヒトパピローマウイルス(HPV)感染は30~80%に認められることがわかり(湯村 寧,他:泌尿紀要55:671-675,2009/J Clinical Pathology 62:870-878,2009),女性の子宮頸癌などと同様に注目されている。

書評

「ここからはじめる研究入門―医療をこころざすあなたへ」―Stuart Porter 著/武田裕子 訳 フリーアクセス

著者: 前野哲博

ページ範囲:P.206 - P.206

 研究は研究者がやるもので,臨床医がやるものではない―学生時代・研修医時代,私はそう思っていた。大学の先生からは,「臨床医だからこそ研究に取り組むべきである」とよく言われていたが,当時はどうしてもそう思えなかった。

 そんな私も,後期研修が終わるころ,次第に研究に少し興味を持つようになり,軽い気持ちで研究に取りかかった。実際に取り組んでみると,その奥の深さに驚き,研究とはこんなに大変なものかと愕然とした。ようやく1つの論文を仕上げてみて,やっと臨床医が研究に取り組む意義を実感できたが,もし,こんなに苦労することを最初から知っていたら,研究をやってみようとは思わなかったかもしれない。思えば,研究のプロダクトである論文はいくらでも読む機会があるが,そのプロセスについて学ぶ機会は少ない。研究の進め方について書かれた本もあるが,研究をライフワークにしている研究者が,同じような道を選ぼうとしている人に向けて書かれたものが多いのではないだろうか。

「臨床に活かす病理診断学 第2版―消化管・肝胆膵編」―福嶋敬宜,二村 聡 編 フリーアクセス

著者: 高田忠敬

ページ範囲:P.215 - P.215

 このたび,医学書院から出版された『臨床に活かす病理診断学 第2版―消化管・肝胆膵編』(編集:福嶋敬宜・二村 聡)の書評を依頼されました。

 私は,雑誌『胆と膵』の編集委員長をしている関係で,委員の1人である福嶋敬宜先生とは親しい関係にあります。私が福嶋敬宜先生に異才を感じたのは,彼が雑誌『胆と膵』に繰り出してくる企画に対してです。

「がんのリハビリテーションマニュアル―周術期から緩和ケアまで」―辻 哲也 編 フリーアクセス

著者: 生駒一憲

ページ範囲:P.223 - P.223

 今日,がん医療に対する注目は非常に高い。これはがん医療の進歩が著しく,不治の病ではなくなりつつあることが1つの理由であろう。ところで,このがん医療の進歩を支えるのがリハビリテーションであることをご存じだろうか。リハビリテーションは,1人1人の生活がより快適で意味のあるものになるようにさまざまな手法を用いてアプローチする専門技術である。がん患者の生存率が伸び,がんと共存する時代では,このリハビリテーションの良し悪しが人々の生活の質に直結し,ひいては人生そのものにも影響を及ぼすことは想像に難くない。薬物,放射線,手術などの進歩を,人にとってより恩恵のあるものとするために,リハビリテーションは不可欠である。

 このたび辻哲也先生が編集された『がんのリハビリテーションマニュアル―周術期から緩和ケアまで』は,がんのリハビリテーションを行ううえで,押さえるべき基本と実際の臨床をバランスよく著したもので,今まさに待望の1冊である。

「ことばもクスリ―患者と話せる医師になる」―山内常男 編 フリーアクセス

著者: 川島みどり

ページ範囲:P.233 - P.233

 全身の痛みを長く訴える患者に「データ上からも痛むはずはない。あとは,あなたの心の持ち方次第。あまり神経質にならないように」と,訴えそのものを否定した医師。通常よくみられる場面ではある。2週間後,別の医師の「よく我慢したねえ。長いことつらかっただろう」との言葉で執拗な痛みが薄れ,その晩は鎮痛薬を飲まないで済んだ例を目の当たりにしたことがあった。

 著者らは,医師の言葉が患者に与える影響を意識した医師らである。おそらく同じ病院の医師同士でも,隣の診察室での会話を聞く機会はほとんどないだろう。それだけに,受付の対応から始まる外来診療の流れに沿った場面での,言葉が生み出すさまざまな葛藤や可能性から得られるヒントは多いと思う。

症例

TUL,ESWL併用療法にて完全消失した完全サンゴ状腎結石

著者: 岡清貴 ,   林哲太郎 ,   井上洋二 ,   林睦雄 ,   後藤景介

ページ範囲:P.257 - P.260

TULとESWL併用療法で完全消失した完全サンゴ状腎結石の2例を経験した。

症例1は73歳,女性。2009年10月,当科初診。右完全サンゴ状腎結石と診断。腎盂の結石をTULにて可及的に砕石した後,計7回の追加ESWL施行。治療終了後1か月で結石は完全消失した。症例2は68歳,女性。2010年2月,当科紹介受診。左完全サンゴ状腎結石の診断にて腎盂内の結石をTULで可及的に砕石した後,計4回の追加ESWL施行。治療終了後1か月で結石は完全消失した。症例を選べば,完全サンゴ状腎結石であっても,TULとESWLの併用療法で治療可能である。

交見室

「性分化異常症」は差別用語か―「専門医のための性分化疾患講座」を読んで

著者: 寺島和光

ページ範囲:P.261 - P.261

 本誌65巻第12号の特集「専門医のための性分化疾患講座」の緒方勤氏らの論文「性分化疾患の分類と社会的性の決定について」について,主に用語に関してコメントさせていただきたい。

 緒方論文の表2は性分化疾患(disorders of sex development:DSD)に関する国際会議のコンセンサス(同論文の文献1)で提唱された“An example of a DSD classification”の緒方訳である。この表はすでに泌尿器科医や小児科医のいくつかの論文に引用されていることもあり,ここで問題点を申し上げたい。表中のTesticular DSDは精巣発生異常と訳されているが,正しくは精巣性性分化疾患(または~DSD)のはずである。また原文ではmixed gonadal dysgenesisと書かれているのを混合性性腺異形成,severe hypospadiasを「重症尿道下裂」としているが,前者は泌尿器科および小児科の用語集の訳とは違っており,後者は泌尿器科医は通常このようには言わない。ここで私が特に指摘したいのは,最終的な病名に卵精巣性性分化疾患など「…疾患」が使われていることである。これは極めて異例である。当たり前だが,例えば(総称として)「性器疾患」と言っても「停留精巣疾患」とはけっして言わない。このような奇妙な病名になった理由は,「DSDは必ず性分化疾患と訳する」と決めたからである。原文にDSDが使われていれば,それが総称であっても病名であっても関係がないのである。

腎癌取扱規約にみる組織分類とT因子の変遷

著者: 水関清

ページ範囲:P.262 - P.263

 腎癌取扱規約(以下,規約)は,1983年に初版が刊行された後,1992年に第2版,1999年に第3版,そして2010年には第4版と,改訂が重ねられてきた。第4版への改訂にあたっては,画像診断の項が大幅に整理され,腫瘍の評価法としての各種画像診断法が吟味された。その結果,超音波は検診領域における標準検査,CTは質的診断・病期診断における標準検査,MRは造影できない患者に対しての代替検査として,それぞれ明確に位置づけられた(臨泌65:877,2011)。

 では組織分類はどうかというと,第2版から第3版への改訂時に大幅な変更が加えられた。初版と第2版の組織分類は,腎細胞癌(以下,腎癌)の組織構築と細胞型を基本とする1981年のWHO分類に準拠していたが,第3版以降は免疫組織化学染色や遺伝子検索の所見を加味した腫瘍細胞の由来と組織構築の所見から判定される方式に変更された。

わが国の第1号膀胱鏡に関する疑問(2)

著者: 三木誠

ページ範囲:P.263 - P.264

 『臨床泌尿器科』66巻1号での小生の疑問に応えて,66巻2号で岡田淳志先生が色々調べてお答えいただきありがとうございました。現役の先生が歴史に興味を持ち,真剣に関わっていただき感謝しております。

 その後改めて坂口勇先生の1919年(大正8年)4月の日本泌尿器病学会総会発表抄録(日本泌尿器病学会雑誌8:95-96,1919),武井勝氏の「国産膀胱鏡の生まれるまで」(医科器械雑誌15:269-276,1938)を読むと,坂口先生が桑原氏(武井氏を坂口先生に紹介した同業者)に命じて製造改良した第1回の製品として,6本の使用可能な膀胱鏡(国産第1号,武井製であることは上記文献より明らか)を入手したとしてこれを報告している。これは輸尿管膀胱鏡(シースとスコープは別)を参考にしたもので,検査用より3cm長く太さは18Fで,視野の大きさが大小不均一であったと記されている。また坂口先生が,次回分として製作しつつあるものはすべてニッツェ式にして,3cm短くF20の太さで視野を大きく明るくし,それに成功すれば漸次手術用膀胱鏡などへと発展させ,それらを発売するには膀胱鏡に番号と検定済證,使用説明書をつけることを提案している。これらのことから,坂口先生が1919年国産最初の膀胱鏡として学会に報告した膀胱鏡と,その後先生が検定して番号を付けた最初の膀胱鏡(以下検定第1号)は違うことになり,小生が単に「第1号膀胱鏡」と表現したことが多少問題であることがわかった。すなわち,69号を見た時点で国産第1号は検定第1号と同じであろうと勝手に判断したことは間違いであった。現時点では国産第1号と検定第1号では長さ太さが違うことは明らかであるが,接眼漏斗部の形などは推論するしかなく,さらに明確な結論を出すべく今後努力するしかない。

前立腺肥大症―治療法の選択の際に考慮すべきこと

著者: 勝岡洋治

ページ範囲:P.264 - P.265

 昨年末に開催された某メーカー主催の「前立腺肥大症治療の新戦略」と題する講演会での質疑応答の中で,改めて前立腺肥大症の治療の選択に際し,患者不在の議論になっているのではないかとの危惧をもった。質問者の「前立腺肥大症の最善の治療はTURPであり,患者の満足度も高く,費用対効果も優れていると思う。薬物治療の優位性はあるのか?」との発言に対して,講師は「前立腺肥大症は良性疾患なので根治的療法は不要で,薬物療法の適応となり,QOLの改善が十分に期待できる」と答えている。双方の意見に合理性があり,大筋において首肯できるが,筆者には患者の視点に欠け,受診に消極的で治療を受けるのに逡巡する患者に対して,いずれの主張も説得力に乏しいと思われた。そこで,筆者訳書『前立腺肥大症―日常診察マニュアル改訂第2版(医学図書出版)』の一部を再掲し,患者の心情に寄り添った診療姿勢の大切さを喚起しておきたい。

 前立腺肥大症患者の治療法の選択は,次に挙げるいくつかの要素を考慮して行われる。①症状の重症度ならびに患者の日常生活に悪影響を及ぼしている程度,②前立腺肥大症による症状が将来悪化するリスク,③治療法の有用性とならびに再治療率,④治療によって起こる合併症の可能性,⑤患者の意向,⑥治療にかかる費用,などである。

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.191 - P.191

お知らせ 第9回泌尿器科再建再生研究会一般演題募集のご案内 フリーアクセス

ページ範囲:P.256 - P.256

第9回泌尿器科再建再生研究会一般演題を下記のとおり募集いたしますので,ご案内申し上げます。

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.269 - P.269

お知らせ 第53回日本人間ドック学会学術大会 フリーアクセス

ページ範囲:P.269 - P.269

会期:2012年9月1日(土)・2日(日)

会場:東京国際フォーラム

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.270 - P.270

著作権譲渡同意書 フリーアクセス

ページ範囲:P.271 - P.271

編集後記 フリーアクセス

著者: 郡健二郎

ページ範囲:P.272 - P.272

 本稿を書いている今日,2月11日は「建国記念の日」です。1か月後は,東日本大震災から早1年が経ち,遅れていた復旧・復興に向け,日本の強い「絆」と活力が必要となります。私たちは,大震災後に,「絆」の大切さを思い起こし,「今年の漢字」として“絆”が選ばれました。これから日本を本格的に復興させるときです。同じ考え方を持つ人達が集まる絆だけではなく,個々が独自の意見を持ち,話し合い,最終的には1つの方向に進む絆が,今求められています。

 本日の全国紙と中日新聞の紙面には,社説欄を含め,建国記念の日を扱う記事は探すほどしかみあたりません。建国記念の日が設置されたのは1966年。その前の約10年間は,識者らが議論を戦わし,街では賛否に分かれて集会が開かれました。2月11日は紀元節であったことから,軍国主義が復活するとの懸念と,建国をしのび日本を愛する心を養うという推進論の2つでした。あの頃は,建国記念の日に対してだけでなく,国論を二分する熱い議論が盛んに行われていました。しかもその議論には歴史観があり,将来を見据える力を感じました。その活力が戦後からの著しい復興の原動力になったのだと思います。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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