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特集 画像診断の進歩を腫瘍手術に役立てる!
文献概要
要旨 原発性副甲状腺機能亢進症の手術を難しくしているのは,病的に腫大した過機能副甲状腺の位置や数を術前に診断することが困難であるという理由につきる。普通,甲状腺後面あるいは近傍に左右2個ずつ合計4個ある副甲状腺を正常状態で画像上認識することは不可能である。原発性副甲状腺機能亢進症では,この副甲状腺の1~4個(腺腫例では1個,過形成例では複数個)が腫大し,副甲状腺ホルモンを過剰分泌する。術前の画像診断が進歩したが,副甲状腺手術がやさしくなったかというといろいろな困難が十分に解決されるに至っていない。CT,MRI,超音波断層検査カラードップラー法,MIBIシンチグラフィーを中心に副甲状腺手術における画像診断の有用性や留意点を考える。
参考文献
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