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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル Ⅲ ベッドサイドトラブル対処法
018 創感染症,創離開
著者: 渡邉豊彦1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学
ページ範囲:P.108 - P.112
文献購入ページに移動泌尿器科は外科系臨床科であり,悪性腫瘍をはじめとする尿路性器疾患に対して手術を主な治療手段とするため,周術期感染症への対策は必須である。泌尿器科領域では元来内視鏡手術の頻度が高く,加えて近年では体腔鏡手術,ロボット手術の進化によりその頻度はさらに増加している。また,悪性腫瘍に対して臓器温存を目的とした非観血的治療の開発が進み,開腹手術の頻度は減少傾向にある。しかし,開腹手術は今後も泌尿器科疾患の治療手段として不可欠であり,鏡視下手術と比較して周術期感染症の発症頻度および重症度も高いことから,われわれ泌尿器科医は周術期管理に関して,より適切な対応を要求される。
1999年にCDC(the Centers for Disease Control and Prevention)が手術部位感染防止ガイドラインを発表し,手術部位感染(surgical site infection:SSI)という新しいcriteriaを提唱し,個人の経験や習慣に頼った管理ではなく,EBM(evidence based medicine)に基づいた指針を示したことが画期的であった1)。本邦においても2007年に『泌尿器科領域における周術期感染予防ガイドライン』が発刊され,浸透しつつある2)。本項では上記2つのガイドラインをもとに創感染症,創離開について概説したい。
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