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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科66巻4号

2012年04月発行

特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル

Ⅵ 術式別にみた術前・術後管理

066 腹腔鏡下腎摘除・腎部分切除術

著者: 槙山和秀1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.359 - P.362

文献概要

[1]術前管理

 腹腔鏡下手術の術前管理は,基本的には全身麻酔下での開腹手術と同様である。

1.腸管処置

 腹腔鏡下手術では,手術中に極端な腸管拡張があると視野の妨げになり,腸管損傷のリスクも高くなると考えられる。また,万が一腸管損傷が生じた場合,術前腸管処置をしておいたほうがより安全に対処できる可能性もある。以上のような考え方から,術前の腸管処置として低残渣食,下剤,浣腸などが行われることが多かったが,術前腸管処置をまったく省略できるという考え方もある1)。当院では術中の視野確保のためには最小限の腸管処置は必要であると考えており,腸管損傷の可能性の高い症例以外は,通常の開腹手術同様の術前腸管処理を行っている。具体的には,術前日の夕食まで常食で,眠前にセンノシドの内服,術当日朝に浣腸を行っている。

参考文献

1)矢内原仁,坂本博史,松島将史,他:腎・副腎に対する腹腔鏡下手術における周術期腸管管理を省略した症例の周術期経過の検討.泌尿紀要 57:407-409,2011
2)佐野 太,坂田綾子,林 成彦,他:Dダイマー測定と下肢静脈超音波検査による泌尿器術前DVTスクリーニング.泌尿器外科,2012(in press)
3)槙山和秀:術前に腹腔鏡下腎摘除術が終わっている,次世代型患者特異的シミュレータ.泌尿器外科 24:465-466,2011
4)槙山和秀,中井川昇,三好康秀,他:小径腎癌に対するマイクロ波組織凝固装置使用,無阻血,後腹膜鏡下腎部分切除術の検討.Jpn J Endourol ESWL 20:84-88,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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