文献詳細
特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅵ 術式別にみた術前・術後管理
文献概要
[1]泌尿器科診療の基本
前立腺全摘除術は限局性前立腺癌に対する根治術である。近年,前立腺癌は増加傾向にあり,男性の悪性疾患による死亡原因としては,本邦では5番目に多い。またPSAによる検診のスクリーニングの普及に伴い,早期前立腺癌が発見される頻度が非常に高くなっている。結果的に限局性前立腺癌に対する治療として,根治術が選ばれることが多くなってきた。前立腺癌に対する治療としては,ほかにも各種放射線療法やホルモン療法があり,特に放射線療法は機器の進歩により治療成績の向上が著しい。今後,限局性前立腺癌治療の主役となる可能性もあるが,一般的な市中病院では,依然,根治的前立腺全摘除術が標準的治療である。腹腔鏡下や小切開,ロボット手術などアプローチにも進化を認めるが,詳細は他項に譲り本項では開腹下の根治的前立腺全摘除術について述べる。
前立腺全摘除術は限局性前立腺癌に対する根治術である。近年,前立腺癌は増加傾向にあり,男性の悪性疾患による死亡原因としては,本邦では5番目に多い。またPSAによる検診のスクリーニングの普及に伴い,早期前立腺癌が発見される頻度が非常に高くなっている。結果的に限局性前立腺癌に対する治療として,根治術が選ばれることが多くなってきた。前立腺癌に対する治療としては,ほかにも各種放射線療法やホルモン療法があり,特に放射線療法は機器の進歩により治療成績の向上が著しい。今後,限局性前立腺癌治療の主役となる可能性もあるが,一般的な市中病院では,依然,根治的前立腺全摘除術が標準的治療である。腹腔鏡下や小切開,ロボット手術などアプローチにも進化を認めるが,詳細は他項に譲り本項では開腹下の根治的前立腺全摘除術について述べる。
参考文献
1)近藤幸尋,西村泰司:前立腺全摘除術における周術期合併症とその対策.日本臨床 65(増刊):335-343,2007
2)乾 政志,佃 文夫,筧 善行,他:恥骨後式前立腺全摘除術.泌尿器科周術期管理のすべて.メジカルビュー社,東京,pp194-202,2004
3)中原 満,石 光広,望月英樹,他:骨盤内手術(膀胱全摘除術・前立腺全摘除術).臨泌 56(別冊):293-298,2002
4)岡村菊夫,副島秀文,斎藤史郎,他:全国泌尿器科専門医教育施設への前立腺全摘除術の周術期管理に関するアンケート調査.日泌尿会誌 98:595-603,2007
5)並木俊一,石戸谷滋人,荒井陽一,他:前立腺癌の治療QOL恥骨後式前立腺全摘除術とQOL.日本臨床 69:610-614,2011
6)Fuji Y, Yamamoto S, Yonese J, et al:A novel technique to prevent postradical retropubic prostatectomy inguinal hernia:the processus vaginalis transaction method. Urology 75:713-715, 2009
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