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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科66巻4号

2012年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル Ⅵ 術式別にみた術前・術後管理

073 腎盂形成術

著者: 白石晃司1 松山豪泰1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野

ページ範囲:P.394 - P.398

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[1]はじめに

 腎盂形成術は新生児から成人に至るまで施行される機会のある術式であるが,本項では主に小児における腎盂形成術の術前術後の管理について報告する。

 腎盂尿管移行部狭窄症(ureteropelvic junction obstruction:UPJO)に対する治療法は基本的には手術である。近年のendourologyの進歩により開放腎盂形成術のみならず鏡視下およびロボット補助下の腎盂形成も施設により盛んに行われるようになってきているが,これらの方法も開放手術と比べ遜色ない結果が報告されている1,2)。手術適応,手術法および術前・術後の管理は施設ごとに異なっており,小児専門病院のような症例数の多い施設ではクリニカルパスを用い,病棟スタッフもその管理や合併症の早期発見に慣れているが,年間数例の施設においては予想外のところに落とし穴があり,担当医自身が症例ごとに常に合併症の予防および早期発見に努めなければならない。

 本項では鏡視下手術も含め,主に開放でのAnderson-Hynes法を中心に術前,術中および術後診療のポイントについて自験例を中心に報告する。なお,aberrant vesselによる圧迫や尿管ポリープなどもあるが,便宜上UPJOとして表記する。

参考文献

1)Braga LHP, Pace K, DeMaria J, et al:Systematic review and meta-analysis of robotic-assisted versus conventional laparoscopic pyeloplasty for patients with ureteropelvic junction obstruction:effect on operative time, length of hospital stay, postoperative complications, and success rate. Eur Urol 56:848-858, 2009
2)Mei H, Pu J, Yang C, et al:Laparoscopic versus open pyeloplasty for ureteropelvic junction obstruction in children:a systematic review and meta-analysis. J Endourol 25:727-736, 2011
3)小児泌尿器科学会学術委員会:周産期,乳児期に発見される腎盂,腎盂尿管拡張の診断基準―1.超音波診断法を用いた腎盂,腎盂尿管拡張の記載方法,2.利尿レノグラフィー実施のための標準プロトコール.日小児泌尿会誌 8:96-99,1999
4)Shimada K, Kakizaki H, Kubota M, et al:Standard method for diagnosing dilatation of the renal pelvis and ureter discovered in the fetus, neonate or infant. Int J Urol 11:129-132, 2004
5)谷風三郎:腎盂尿管移行部狭窄症に対する手術.In:野々村克也ら(eds):Urologic Surgeryシリーズ小児泌尿器科手術.メジカルビュー社,東京,pp44-47,2003
6)Hinman F Jr and Baskin LS:Hinman's Atlas of Pediatric Urologic Surgery. 2nd ed. Saunders, Philadelphia, pp131-140, 2009
7)AUA clinical guidelines:Antimicrobial Prophylaxis for Urologic Surgery 2008. http://www.auanet.org/content/clinical-practice-guidelines/clinical-guidelines.cfm

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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