臨床泌尿器科66巻4号

2012年04月発行

特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル

Ⅳ　ベッドサイド検査の実際 ■4．尿失禁の検査

044　腹圧性尿失禁の検査

著者： 加藤久美子¹ 鈴木省治¹ 鈴木弘一²

所属機関： ¹名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科 ²名古屋第一赤十字病院泌尿器科

ページ範囲：P.247 - P.253

文献概要

[1]はじめに

　女性泌尿器科は，腹圧性尿失禁・骨盤臓器脱の低侵襲メッシュ手術の発展に伴って，泌尿器科の大切なsubspecialtyになりつつある。腹圧性尿失禁は尿流動態検査で確定診断されるが^1,2），典型例は問診とストレステストでかなり把握できる。膀胱造影は昔ほど行われなくなったが，画像から得られる情報は少なくない。骨盤臓器脱では尿排出障害や過活動膀胱が増える一方で，腹圧性尿失禁がマスクされる^3）。脱を還納した状態でのストレステスト（バリアーテスト）などで評価する。本項では，女性泌尿器科の検査の手技，ポイントを解説する。

参考文献

1）加藤久美子：女性腹圧性尿失禁における尿道括約筋不全ISDと腹圧下尿漏出圧ALPPの意義．臨泌 52：989-999，1998

2）本間之夫，西沢　理，山口　脩：下部尿路機能に関する用語基準―国際禁制学会標準化部会報告．日排尿機能会誌 14：278-289，2003

3）加藤久美子，鈴木省治：骨盤臓器脱手術時に尿失禁手術は併用すべきか．Urology View 8：72-78，2010

4）大島伸一：高齢者排尿管理マニュアル．愛知県健康福祉部高齢福祉課，名古屋，2001

5）Abrams P, Blaivas JG, Stanton SL, et al：The standardization of terminology of lower urinary tract function：International Continenece Society Committee on Standardisation of Terminology. Neurourol Urodyn 7：403-426, 1988

6）武井実根雄：女性の排出障害．福井準之助，永田一郎（編）：女性の泌尿器障害と骨盤底再建．南山堂，東京，pp324-341，2004

7）近藤厚生：尿失禁とウロダイナミックス．医学書院，東京，1996