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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科66巻4号

2012年04月発行

特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル

Ⅳ ベッドサイド検査の実際 ■5.生検

045 腎生検

著者: 小島宗門1

所属機関: 1名古屋泌尿器科病院

ページ範囲:P.255 - P.258

文献概要

[1]はじめに

 腎生検は,経皮的腎生検と開放性腎生検に大別される。経皮的腎生検は,かつては盲目的もしくは静脈性腎盂造影を併用しつつX線透視下に行われてきた。しかし,この技術にはかなりの熟練を要し,出血などの合併症も多く,組織採取の不確実性もあり,しばしば開放性手術によって腎を直接露出して組織を採取する,開放性腎生検も行われていた。

 しかし,1970年代後半になり,リアルタイム表示の超音波診断装置を用いて,対象臓器(病変)と穿刺針との相互関係を確認しつつ,正確に穿刺針を目標に到達させる技術である,超音波穿刺術1)が開発されてからは,本技術を用いての経皮的腎生検が広く普及するようになった。最近では,CTもしくはMRIガイドによる生検も開発されているが,ベッドサイド検査としては超音波ガイド下の腎生検が最も有用である。

 超音波穿刺術の登場により,標的部位をより確実に穿刺できるようになり,特定の部位を選択的に生検できるので,選択的腎生検(selective renal biopsy)とも呼ばれることがある。

 最近では,低侵襲性治療の1つとして,腎癌に対する鏡視下でのcryosurgeryの臨床応用が始まり,その場合には開放性生検に準じた形での,鏡視下の腫瘍生検が行われることもある。

 本項では,最も頻度が高い経皮的腎生検を中心に解説するとともに,最近,改めて注目されている腎腫瘍生検についても言及する。

参考文献

1)Saitoh M, Watanabe H, Ohe H, et al:Ultrasonic real-time guidance for percutaneous puncture. J Clin Ultrasound 7:269-272, 1979
2)蓮井良浩:ベッドサイド検査の実際.臨泌 56(増刊):49-52,2002
3)大江 宏:腎腫瘍生検は果たして必要か―必要とする立場から.臨泌 54:1039-1043,2000
4)原 勲:腎腫瘍生検は果たして必要か―必要とする立場から.臨泌 54:1045-1049,2000
5)Li G, Cuilleron M, Gentil-Perret A, et al:Characteristics of image-detected solid renal masses, implication for optimal treatment. Int J Urol 11:63-67, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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