文献詳細
特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅳ ベッドサイド検査の実際 ■6.腎機能検査
文献概要
[1]はじめに
腎機能検査の目的は,腎機能を把握し,疾患の種類・性質・病変部位を特定することにある。また,腎機能の経過を観察することで腎障害の進行速度を把握することができ,腎不全に至る予後を推測することも可能である。したがって,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)においては随時腎機能を測定することで治療効果の判定にも役立てることができる。さらに,造影剤を使用した種々のX線検査は疾患の診断および病変特定に必須のものであり,腎機能低下時には造影剤腎症の発症リスクが高まることから,最近ではますます腎機能検査を行う機会が増加している。また,近年高齢者に対する手術が増加してきており,術前検査として腎機能を評価する機会も少なくない。
したがって,腎機能検査を行う頻度は今後とも増加していくことが予測されるため,腎機能検査は患者に対して低侵襲で再現性があり,正確かつ簡便である必要がある。腎機能検査は,腎全体の機能を把握する総腎機能検査と左右の腎機能を別個に評価する分腎機能検査に分類される。本項では臨床的に泌尿器科医が行う頻度が高いもの,およびCKDの経過観察に必要な検査について述べる。
腎機能検査の目的は,腎機能を把握し,疾患の種類・性質・病変部位を特定することにある。また,腎機能の経過を観察することで腎障害の進行速度を把握することができ,腎不全に至る予後を推測することも可能である。したがって,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)においては随時腎機能を測定することで治療効果の判定にも役立てることができる。さらに,造影剤を使用した種々のX線検査は疾患の診断および病変特定に必須のものであり,腎機能低下時には造影剤腎症の発症リスクが高まることから,最近ではますます腎機能検査を行う機会が増加している。また,近年高齢者に対する手術が増加してきており,術前検査として腎機能を評価する機会も少なくない。
したがって,腎機能検査を行う頻度は今後とも増加していくことが予測されるため,腎機能検査は患者に対して低侵襲で再現性があり,正確かつ簡便である必要がある。腎機能検査は,腎全体の機能を把握する総腎機能検査と左右の腎機能を別個に評価する分腎機能検査に分類される。本項では臨床的に泌尿器科医が行う頻度が高いもの,およびCKDの経過観察に必要な検査について述べる。
参考文献
1)日本腎臓学会 編:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009.東京医学社,東京,2009
2)折田義正,下條文武,坂爪 実,他:イヌリンクリアランスを用いた糸球体濾過量の評価―クレアチニンクリアランスとの比較.日腎会誌 47:804-812,2005
3)Horio M, Imai E and Yasuda Y, et al:On behalf of the collaborators for developing the Japanese equation for estimating GFR:simple sampling strategy for measuring inulin renal clearance. Clin Exp Nephrol 13:50-54, 2009
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