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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科66巻5号

2012年04月発行

文献概要

症例

アフリカ滞在にて感染したビルハルツ住血吸虫症

著者: 村山慎一郎1 饒村静枝1 田中雅彦1 本間之夫3 武村民子2 冨田京一1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター泌尿器科 2日本赤十字社医療センター病理部 3東京大学医学系大学院泌尿器外科学

ページ範囲:P.319 - P.322

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患者は25歳,女性。無症候性肉眼的血尿を主訴に受診。症状出現の数か月前にマラウィ湖での遊泳歴があった。膀胱鏡の所見ではbilharzial tuberclesを認め,尿中への虫卵の排泄も認められ,ビルハルツ住血吸虫症と診断。膀胱粘膜生検の病理結果では,虫卵や炎症による肉芽腫を認めた。治療はプラジカンテルの経口投与を2回施行した。治療開始11か月後膀胱鏡の所見は改善し,虫卵の尿中への排泄も認めず,治癒したと考えられる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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