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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科66巻5号

2012年04月発行

文献概要

症例

迅速病理診断にて精巣の温存が可能であった精巣類表皮囊胞

著者: 小黒俊樹1 柳田知彦1 佐藤雄一1 高橋則雄1 羽賀宣博1 相川健1

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.335 - P.338

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精巣類表皮囊胞は比較的稀な疾患であるが,特徴的な画像所見により,術前診断が可能との報告もある。しかし,今日までの報告からは精巣温存手術が施行されている症例は少ない。その理由として,術前診断からだけでは悪性精巣腫瘍の可能性を完全に否定することが困難であることが挙げられる。そこで,精巣温存手術を行う際には悪性所見を否定する必要がある。今回,われわれは迅速病理診断を用いて悪性所見を否定し,精巣を温存することができた精巣類表皮囊胞の一例を経験したので報告する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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