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特集 泌尿器科救急疾患―あなたの対処は間違っていませんか?
文献概要
要旨 尿閉とは膀胱内に貯留した尿の排出が困難な状態であり,無尿とは尿の排泄量が低下し,1日の尿量が100ml 以下となった病態を指す。通常,健常者の尿量は500~2,000ml /日である。いずれも,原因となる疾患が潜在しており,原因疾患に対して適切な治療が必要であるが,特に前者に対する処置は,膀胱内の尿を体外へ排出させることである。尿閉の治療のタイミングを逸すると結果的に不可逆的な腎不全から無尿となる可能性があることから,尿閉と無尿は関連しているといえる。本稿では,当施設における2年間の「尿閉」と診断された患者について,患者背景や実際の処置および原因疾患などを検討し,傾向・対処における課題および問題点を抽出した。
参考文献
1)日本排尿機能学会:男性下部尿路症状診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,東京,2008
2)荒井陽一,小川 修:講義録―泌尿器科学.メジカルビュー社,東京,2007
3)長尾一公,内藤克輔:泌尿器科救急―尿閉.臨泌61:13,2007
4)厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル―尿閉・排尿困難,2011
5)伊藤一人:急性尿路閉塞―尿閉.Urology View 4:93-97,2006
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