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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 良性・悪性の鑑別に迷う泌尿器病変ラインアップ 4.膀胱病変

良性・悪性の鑑別に迷う膀胱病変

著者: 北村寛1

所属機関: 1札幌医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.877 - P.881

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要旨 内視鏡的に膀胱癌(あるいは膀胱癌の疑い)と診断し,経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)または経尿道的生検(TU-biopsy)を施行した結果,病理組織学的に良性と診断されることがある。当施設における870例のTURBTおよびTU-biopsy標本を検証したところ,膀胱良性病変の頻度は15.6%であり,その62.5%が炎症性病変で19.8%が尿路上皮過形成であった。内視鏡所見で小さな丈の低い浮腫状病変や粘膜がインタクトな腫瘤は膀胱良性病変の可能性が高いが,特に前者は経過観察が必要である。

参考文献

1)Kitamura H and Tsukamoto T:Early bladder cancer:concept, diagnosis and management. Int J Clin Oncol 11:28-37, 2006
2)Proctor I, Stoeber K and Williams GH:Biomarkers in bladder cancer. Histopathology 57:1-13, 2010
3)大保亮一,大園誠一郎:泌尿器科腫瘍学(総論).腫瘍病理学.腎盂,尿管,膀胱,尿道腫瘍.In:ベッドサイド泌尿器科学,改訂第4版.edited by小川 修,岡田裕作,荒井陽一,他:南江堂,東京,pp498-517,2013
4)日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会 編:泌尿器科・病理・放射線科―腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約.金原出版,東京,pp93-151,2011
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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