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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻12号

2013年11月発行

文献概要

症例

受傷13年後に尿道形成術を施行した振子部尿道開放性裂傷

著者: 中井靖1 青木勝也2 松本吉弘1 篠原雅岳2 影林頼明1 三馬省二1

所属機関: 1奈良県立奈良病院泌尿器科 2奈良県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.983 - P.986

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症例:44歳,男性。外尿道口より陰茎陰囊境界部までの尿道腹側をカミソリで鋭的に完全切開され,近医で尿道単純縫合を受けたが,尿道は完全哆開した。以後,無治療であったが,13年後,再婚を転機に尿道再建術を希望して当科を受診した。尿道粘膜は再建に使用可能と判断し,尿道下裂に準じてThiersch法により一期的尿道形成術を施行した。留置カテーテル抜去後,立位排尿が可能となった。外傷性前部尿道損傷の原因として,尿道カテーテルによる損傷や尿道異物による尿道皮膚瘻などの報告はあるが,われわれが調べた限りでは,自験例のように意図的に広範囲に縦切開された尿道に対して尿道形成術を施行した報告はなかった。

参考文献

1)Hinman F Jr:Tube repair(Thiersch). In:Atlas of Urologic Surgery. WB Saunders, Philadelphia, pp56-57, 1989
2)Morey AF and McAninch JW:When and how to use buccal mucosal grafts in adult bulbar urethroplasty. Urology 48:194-198, 1996
3)Hernandez J and Morey AF:Anterior urethral injury. World J Urol 17:96-100, 1999
4)Hayakawa K, Hayashi E, Hata M, et al:Urethral reconstruction using buccal mucosa urethroplasty in the treatment of urethral injury. Acta Urol JPN 51:343-346, 2005
5)Pounder DJ:Ritual mutilation:subincision of the penis among Australian Aborigines. Am J Forensic Med Pathol 4:227-229, 1983
6)Andrews HO, Nauth-Misir R and Shah PJ:Iatrogenic hypospadias:a preventable injury? Spinal code 36:177-180, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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