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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻2号

2013年02月発行

雑誌目次

知っていると役立つ泌尿器病理・11

症例:80代・男性

著者: 清水道生 ,   松嶋惇

ページ範囲:P.99 - P.102

症例:80代・男性

 前立腺癌の骨転移が認められ,内分泌療法目的にて,精巣摘除術が施行された。摘出された精巣では精細管の萎縮がみられたが,同時に白膜内に小さな偶発病変が認められた。その病変の弱拡大(図1),中拡大(図2),強拡大(図3)の組織像を示す。

 1.病理診断を述べよ。

 2.鑑別診断および診断確定に有用な免疫染色はなにか。

綜説

生殖医療に対する泌尿器科医の立ち位置

著者: 岡田弘

ページ範囲:P.107 - P.116

要旨 近年,男性不妊に注目が集まっている。男性不妊患者は,同世代の糖尿病患者よりも多く存在するため,泌尿器科医としては診療レパートリーに組み入れるべき疾患である。しかしながら,男性不妊を専門とする医師数が極端に少ないため,診療・教育に支障をきたしている。男性不妊の多くが,挙児手段としては顕微授精(ICSI)を必要としているが,次世代への影響に関しては危惧される点が多数存在している。今後,診断・治療に泌尿器科医がより積極的に参画できる環境の構築のために,今なにが必要であるか,そして男性不妊治療の未来予想を,自験例を元に概説した。

Focus 泌尿器科の未来を拓くバイオ技術

企画にあたって

著者: 東治人

ページ範囲:P.119 - P.119

 このたび,郡先生からいただいた「泌尿器科の未来を拓くバイオ技術」というテーマは,現代と未来をつなぐ極めて画期的な企画であると思われます。罹患率上昇の一途を続ける前立腺癌に対する早期診断と治療,あるいは,次々と登場する新規分子標的薬によって少しずつでも予後の改善がみられる腎癌など,まさに,現代,そして近未来におけるバイオ技術の発達は医療の発展に直接に結びついているといっても過言ではありません。今回の企画にあたり,泌尿器科領域におけるバイオ技術を用いた研究成果について,2名の泌尿器科の先生方にご執筆をお願いいたしました。

 大阪医大の稲元先生には,オーファンリセプターの1つである神経成長因子IBファミリーの転写調節による膀胱癌治療という,新しい概念に沿った遺伝子治療の可能性について,そして,大阪大学の辻村先生には脊髄損傷による排尿障害に対する嗅粘膜移植の治療効果について,それぞれご執筆いただきました。泌尿器科領域のみならず,全疾患領域における最も大きな命題である癌治療において,これまでの遺伝子治療の問題点を克服する次世代の遺伝子治療の発展と臨床応用への可能性を追求し,また,「脊髄損傷に伴う排尿障害」という泌尿器科領域の永年の命題に対して,最新の再生医療技術を用いた新規治療の開発に挑戦するなど,それぞれの先生方における発見と苦悩,そして,現時点における研究の進捗状況と将来展望をリアルタイムに論及していただきました。本稿を契機に未来の先端医療の開発と発展に興味を抱く若き先生が1人でも増えれば幸甚です。

核内リセプターを利用した膀胱癌治療の試み

著者: 稲元輝生

ページ範囲:P.121 - P.126

要旨 非筋層膀胱癌に対するBCG注入療法が5割もの再発予防効果を有する。その一方で浸潤癌に対する治療法は化学療法の進歩と工夫にもかかわらず,膀胱癌の10年生存率はおしなべると5割程度にとどまる。膀胱癌は発生と進展に遺伝子異常がかかわることが指摘されており,化学療法の反応性が不均一である原因であるとも考えられる。既存の治療法を凌駕する治療法の発見のきっかけとして分子標的療法は膀胱癌をはじめとした尿路上皮腫瘍でも現状で欧米を中心として臨床治験が進行中である。膀胱癌で現在まで研究の進んだ癌遺伝子としてはEGFR,MDM2,Ras,サイクリンD1などがあり,癌抑制遺伝子としてはp53などが知られている。本稿では膀胱癌の分子標的療法,特に核内レセプターを標的とする治療の可能性についてふれる。

脊髄損傷による排尿障害に対する嗅粘膜移植

著者: 高尾徹也 ,   中山治郎 ,   辻村晃 ,   野々村祝夫

ページ範囲:P.129 - P.134

要旨 脊髄損傷は高率に下部尿路障害を合併するが,障害レベルや損傷程度によりさまざまな病態を呈する。脊髄損傷による下部尿路障害は患者のQOLだけでなく,腎機能にも影響を及ぼすことがある。しかし,損傷した脊髄の再生や機能の回復に対する治療は難しい。近年,脊髄再生を目指した細胞移植が試みられつつある。われわれは,この中で倫理的な問題や拒絶反応の問題の少ない自家嗅粘膜移植に注目した。ラット急性期脊髄損傷モデルに対し嗅粘膜移植を施行したところ,排尿時の尿道括約筋過緊張の軽減,排尿筋-外尿道括約筋協調不全の改善で排尿効率の改善がみられた。ヒトへの臨床応用にはいくつもの関門があるが,今後の発展が期待される。

書評

「あなたへの医師キャリアガイダンス」―岡田 定,堀之内秀仁,藤井健夫 編 フリーアクセス

著者: 市村公一

ページ範囲:P.127 - P.127

 この本は聖路加国際病院の,年代もさまざまな50名のOB・OGの先生方が,医師を志した理由から学生時代の思い出,研修病院を決めた経緯,実際に経験した研修の感想,その後の進路を決めた理由と現職への思い,そして最後に後輩へのアドバイスを書かれたものを,医学部卒業年次の若い方順にまとめられたものだ。こうした本が商品として成り立つこと自体,「聖路加」のブランド力の証であろうが,そのブランド力を育て,維持発展させてこられたのが,ここに登場される先生方ご自身でもあろう。

 私は卒後研修必修化前の2003年,当時の研修実態を探ろうと全国25か所の病院を回り,『臨床研修の現在』(医学書院)という本にまとめたが,その際最初に訪問した聖路加国際病院の様子は今も鮮明に記憶している。循環器,呼吸器,内分泌などさまざまな疾患の患者を集めた混合病棟を3年目のレジデントをリーダーにきっちりした屋根瓦式のチームで診る。その体制はもちろんだが,看護師や薬剤師も交えた毎朝のミーティングや,知識と技能の伝授の場として充実した回診など,まさに理想的な研修の場だと感じたものだった。あの厳しく充実したトレーニングで鍛えられたからこそ,ここに登場される先生方の今があるのだとも思う。

「研修医のためのリスクマネジメントの鉄則―日常臨床でトラブルをどう防ぐのか?」―田中まゆみ 著 フリーアクセス

著者: 日野原重明

ページ範囲:P.159 - P.159

 このたび医学書院から,田中まゆみ先生(大阪市にある北野病院は京都大学医学部の関連病院で,その病院の総合内科部長をなさっている)の『研修医のためのリスクマネジメントの鉄則―日常臨床でトラブルをどう防ぐのか?』というA5判168ページの本が出版された。

 田中まゆみ医師は,京都大学医学部卒業後,京大大学院を出て,ボストンのマサチューセッツ総合病院で研修を受け,さらにボストン大学公衆衛生大学院を修了し,帰国後,聖路加国際病院の総合臨床外来を経て,現在は北野病院総合内科部長として勤務している。

手術手技 泌尿器腹腔鏡手術―もう一歩,ステップアップするために・3

腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下腎尿管摘除術

著者: 服部良平

ページ範囲:P.137 - P.142

要旨 腎盂尿管腫瘍に対する腎摘除術は,腹腔鏡下で行われることが一般的になっているが,腎のみでなく,尿管も十分周囲組織を含めて切除することや,リンパ節郭清を含めた切除をすることも必要である。また水腎症が強い症例などでは経腹的到達法も選択される。本稿ではこの点にもふれて,われわれの行っている術式について述べた。

腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下腎尿管全摘除術

著者: 近藤恒徳

ページ範囲:P.143 - P.149

要旨 腹腔鏡下腎尿管全摘除術は,low stage症例に対する癌制御においては開腹手術とほぼ同等であることが示されている。しかし,T3以上の浸潤癌に対しての安全性はまだ示されていない。また,膀胱内再発も開腹手術よりも多いと報告されている。リンパ節郭清を行うのか,行うとすれば腹腔鏡下かそれとも開放手技かなど,腹腔鏡下手術の適応決定には,いくつかの因子を十分考慮する必要がある。また手術の際にも,腎細胞癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘除術と異なり,尿管早期の結紮,拡張した尿管を破裂させないようにするなど,技術的な注意点がある。また,水腎症があり腎盂腎炎を起こしている症例は周囲の癒着が強く手術が容易ではない。われわれはリンパ節郭清を原則全例に行うことにしており,下部尿管癌の症例に対して腎の遊離を後腹膜鏡下に行い,下部尿管処理,膀胱カフ切除,リンパ節郭清を傍腹直筋切開により開放手技で行っている。

腎盂尿管癌に対する単孔式腹腔鏡下腎尿管摘除術

著者: 佐藤文憲 ,   三股浩光

ページ範囲:P.151 - P.158

要旨 近年,腹腔鏡手術の新たな動向として,臓器摘出に最小限必要な単一創から行う単孔式腹腔鏡手術が注目され,その有用性が議論されている。ここでは当科にて施行している腎盂尿管癌に対する単孔式腹腔鏡手術の術式について概説する。

症例

血管内カバードステント留置により止血し得た尿管総腸骨動脈瘻

著者: 阪野里花 ,   金本一洋 ,   矢内良昌 ,   坂倉毅 ,   佐藤洋造

ページ範囲:P.163 - P.166

84歳,男性。直腸癌術後の尿管狭窄に対して両側尿管ステントを留置し,7年間定期的に交換していた。最終交換から10日後に膀胱タンポナーデとなり,当科を受診した。血管造影で明らかな瘻孔は認めなかったが,臨床経過から右尿管総腸骨動脈瘻と判断し,右総腸骨動脈内にカバードステントを留置した。これにより血尿は消失し,10か月経過した現在も再発を認めていない。

髄膜癌腫症をきたした筋層浸潤性膀胱癌

著者: 古内徹 ,   丸茂健 ,   石川博通 ,   花輪靖雅 ,   萩生田純 ,   勝井政博

ページ範囲:P.167 - P.170

79歳男性。両側腸骨領域,傍大動脈リンパ節転移を伴う浸潤性膀胱癌に対して術前GC(gemcitabine,cisplatin)療法を3コース施行後に,膀胱全摘除術,回腸導管造設術を施行した。病理学的所見はurotherial carcinoma,G3,pT2b,ly0,v0,リンパ節転移陽性であった。術後3か月のCTではリンパ節転移を認めなかった。術後6か月のCTで多発リンパ節転移を認めたため,GC療法を開始した。2コース終了後のCTでリンパ節転移の縮小を認めたものの,2コース目施行中に失見当識,下肢脱力を認め,頭部MRI,髄液検査で髄膜癌腫症の診断となった。積極的治療は行わずに緩和医療となったが,髄膜癌腫症の診断からおよそ1か月後に死亡した。

学会印象記

「最後の」米国小児科学会泌尿器科部門年会(Annual Meeting of American Academy of Pediatrics Section on Urology)

著者: 兼松明弘

ページ範囲:P.172 - P.173

 2012年10月20日より22日まで,米国ニューオーリンズで行われた米国小児科学会泌尿器科部門(AAP Section on Urology)に参加いたしました。毎年Journal of Urology(JU)の10月号に子供の絵の入ったメダルを表紙とした付録号(Pediatric Supplement)が出る会ですが,今年で最後となるので御報告をさせていただきます。

 この会は,moderated poster以上に採択されると上記のJU付録号に投稿することを義務づけており,北米の小児泌尿器科医が春のAUAよりも秋のAAPに優秀な演題を集中して発表することを促進して,学会の質とステータスを高めてきました。今回は最後の会ということで,Michigan大学のDr. Bloomが会の歴史について講演を行いました。会そのものは今年が52回目ですが,付録号が始まったのは比較的最近で,1991年という自分が泌尿器科医になった年であることを初めて知りました。来年からはその歴史ある会をやめ,春のAUAに附随しているSociety of Pediatric Urologyを拡張し,JUの付録号もその演題から投稿させるという非常に大きな変革が行われます。主な理由はAAP本部に納めるお金と,学会で泌尿器科部門に割り当てられるスペースや設備がアンバランスであるという財政的な理由とのことです。

交見室

腹部超音波がん検診基準としての腎腫瘍のカテゴリー分類

著者: 水関清

ページ範囲:P.174 - P.175

 2011年刊行の『腎癌取扱規約(以下,規約)第4版』における画像診断の項は,「Ⅰ.腫瘍の評価法」,「Ⅱ.腫瘍の質的診断」,「Ⅲ.腫瘍の病期診断」,「Ⅳ.画像診断所見の統合」,の4項目からなり,第3版までに収載されていた腹部単純X線撮影・尿路造影・血管造影を削除して,超音波検査・CT・MRI・その他という4項目に集約された。そのうえで,腫瘍の評価法としての超音波診断の位置付けが再定義されたほか,腎癌の各組織型の画像所見,Bosniak分類,良性腫瘍との鑑別が新たに盛り込まれた。

 今回の規約改訂における腫瘍の評価法をまとめると,超音波は検診領域における標準検査,CTは質的診断・病期診断における標準検査,MRは造影CTのできない場合の代替検査として,それぞれ位置付けられた。超音波検査がスクリーニング法として選ばれたのは,被曝の問題がなく,簡便かつ低コストであることなど,超音波の持つ特性が評価されたためである。

尿道カテーテルはブラブラで良いのか?

著者: 勝岡洋治

ページ範囲:P.176 - P.177

 先日,勤務先の病院の看護部長から尿道カテーテル管理に関する質問を受けた。

 「男性患者で留置カテーテルを行う場合,カテーテルは腹部に固定すべきと自分達の世代は習ってきたが,最近は褥瘡ができるのを防ぐため,腹壁や大腿部に固定しないように指導されていると現場の看護師達は主張しています。どちらが正しいのですか? 自分が病棟勤務をしていたときには,尿道が割れて“鯵の開き”状態になっている患者さんを頻繁に見ました。予防策として,尿道に圧力がかかり,組織が挫滅しないようにカテーテルの固定には十分に注意していました。現状はどうなっているのですか? 専門家はどのように指導しているのですか?」との内容であった。私自身,この件については世代間の違いでもなく,指導内容が変更されたとも認識していない。

病院めぐり

製鉄記念室蘭病院泌尿器科

著者: 前鼻健志

ページ範囲:P.178 - P.178

 室蘭市は北海道の南西部に位置した人口10万人弱の都市で,鉄鋼業を中心に造船,石炭の積み出し,石油精製などで発展した,北海道を代表する重化学工業都市です。新日鐵住金や日本製鋼所の企業城下町で,よく「鉄のまち室蘭」と称されています。名物として室蘭焼き鳥(豚肉に玉葱をはさみ,タレで焼いたものに洋ガラシを付ける。室蘭は全国7大やきとりの街の1つ)と,室蘭カレーラーメン(「札幌のみそ」,「旭川のしょうゆ」,「函館のしお」に続く「第4の味」を目指している)があり,独自の食文化を発信する都市として全国から注目を集めています。

 当院は,1941年に新日本製鐵株式会社輪西製鐵所病院として開設され,1992年には新日本製鐵株式会社から独立して医療法人社団となり,2011年3月にはより公益性の高い社会医療法人として認可を受け,製鉄記念室蘭病院に名称を変更し,西胆振地域(室蘭市,登別市,伊達市などを含む)の中核病院として活動しています。現在18診療科,医師数65名(初期研修医12名を含む),病床数347床となっており,今後PET-CT・放射線治療機器の導入,NICU開設を予定しており,さらなる診療体系の充実,発展が予想されています。先日の暴風雪による登別・室蘭地区の大規模停電の際も,総合病院として唯一通常稼働が可能であった当院は,今後災害時の拠点病院としての重要性も増すと思われます。

札幌社会保険総合病院泌尿器科

著者: 松田博幸

ページ範囲:P.179 - P.179

 当院は札幌市の東端にある厚別区の新札幌駅のすぐそばにあります。厚別区(人口12.8万人)と清田区(人口11.6万人)にある病院の中で泌尿器科の入院施設のある唯一の病院です。江別市の隣で,北広島市,長沼町,南幌町などからも多くの患者さんが来院されます。この地区を診療圏とすると総人口45万人,総面積640平方kmとなり,東京23区より広い面積となります。

 当院は明治26年(1893年)に関場不二彦先生が札幌市の中央に「関場医院」として開設されたのを始祖とします。民営で官立に対抗できる病院を作ろうと考えていたとされています。昭和22年(1947年)に政府に移管されて「北海道健康保険北辰病院」となり,さらに平成2年(1990年)6月に現在地に移転し,「札幌社会保険総合病院」と改称されました。平成11年(1999年)4月に病床数300(当院は276床)以下では全国初となる「臨床研修病院」に指定されました。平成12年(2000年)1月より,敷地内を含む「全面禁煙」も全国初として実施しています。平成16年(2004年)4月から入院はDPC適応となり,平成18年(2006年)5月から電子カルテを導入しています。平成26年(2014年)4月には独立行政法人地域医療機能推進機構傘下の病院になる予定です。

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.105 - P.105

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.177 - P.177

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.182 - P.182

著作権譲渡同意書 フリーアクセス

ページ範囲:P.183 - P.183

編集後記 フリーアクセス

著者: 大家基嗣

ページ範囲:P.184 - P.184

 紅葉で有名な貴船・鞍馬は京都の奥座敷と呼ばれています。東京ではさしずめ奥多摩,高尾山がそれに相当するのではないかと私が考えるのも,紅葉が美しいことと,都心からそれなりに離れているからです。東京23区の西に広がる広大な丘陵地は多摩と呼ばれています。太宰治が住んだ三鷹,飛行場のある調布,三億円事件と競馬場で有名な府中,横田基地のある福生など,都会なのですが,武蔵野の自然が残されていて,その調和が住む人の満足感を生んでいます。私も研修医時代に1年間日野市に住みました。都心に住む現在では,若き日の思い出とともに愛着を感じる地域です。

 2007年に公開されたオダギリジョー主演の映画『転々』の物語は多摩から始まります。借金を負った主人公は三浦友和氏演じる借金取りから,奇妙な提案を受けます。自分と一緒に歩いて霞ヶ関までつきあうと100万円を支払う,というものでした。窮地を救ってくれるこの提案を受け,「東京散歩」が始まります。映画のシーンのロケ地がほとんどわかる私にとって,映画は自分の記憶を確かめる作業でもあり,満ち足りた時間を過ごしました。奇妙な提案を受ける場面は,神代植物公園。吉祥寺にある井の頭公園で待ち合わせて,「いせや」の焼き鳥を頬張って散歩がはじまります。借金取りは,調布の飛行場で霞ヶ関に行く理由を,井草八幡宮で妻との思い出を語ります。人知れぬ路地をのんびりと2人は歩いて行きます。気ままでゆったりとした時間が流れ,自分が散歩を楽しんでいるようでした。東京の路地はノスタルジアの宝庫だと感じました。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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