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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅰ 症状・徴候からのアプローチ 排尿に関する症状

001 排尿痛

著者: 加藤久美子1 鈴木省治1

所属機関: 1名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科

ページ範囲:P.16 - P.18

文献概要

1 定 義

 排尿痛は排尿時に痛みを伴うことをいう。膀胱,尿道,前立腺の炎症が原因となる場合が最も多いが,膀胱,尿道,尿管下端の結石,膀胱・尿道異物,膀胱癌(特に上皮内癌),尿道癌,前立腺癌といった悪性腫瘍,前立腺肥大症,尿道狭窄などによる通過障害,膀胱腸瘻,膀胱子宮瘻などの瘻孔,また子宮内膜症,子宮筋腫,尿道カルンクルなども原因となり得る。近年,ガイドライン(図1)1)が作成され重要性が指摘される間質性膀胱炎も,特徴的といわれる蓄尿時膀胱痛,頻尿,尿意亢進のほかに,排尿痛を症状に持つことがある。

 排尿痛は,初期排尿痛,終末時排尿痛,全排尿痛にタイプ分けされる2)。初期排尿痛は,尿道炎,特に前部尿道に炎症がある際に起こる。尿道狭窄,尿道結石,前立腺炎などでもある。終末時排尿痛は,膀胱頸部から後部尿道に炎症がある際に起こると考えられる。頻尿や残尿感を伴って膀胱炎,前立腺炎でよくみられる。下部尿管結石,膀胱結石,膀胱癌でも起こる。全排尿痛は,膀胱,尿道の全体的な炎症を示唆し,膀胱・尿道結石,膀胱・尿道異物,膀胱癌などでみられる。

参考文献

1)日本間質性膀胱炎研究会ガイドライン作成委員会:間質性膀胱炎診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,東京,2007
2)荒木勇雄,岡田裕作:腎臓および泌尿器系の異常―排尿障害・排尿痛.綜合臨床60(増):1207-1212,2011
3)日本性感染症学会:性感染症診断・治療ガイドライン2011.日性感染症会誌22(別冊),2011
4)松本哲朗,高橋 聡,清田 浩,他:尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン(第1版).日化療会誌57:511-525,2009
5)JAID/JSC感染症治療ガイド委員会:JAID/JSC感染症治療ガイド2011.ライフサイエンス出版,東京,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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