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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅰ 症状・徴候からのアプローチ 排尿に関する症状

004 尿 閉

著者: 相川健1 胡口智之1

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.25 - P.27

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1 定 義

 尿閉とは膀胱に尿が多量に溜まっていても排泄できない状態である。国際禁制学会によると,急性尿閉は尿をまったく排出できず膀胱痛が強く触診や打診で膀胱がわかる状態である。一方,慢性尿閉は膀胱痛はなく排尿後に触診や打診で膀胱がわかる状態であり,このような患者では尿失禁がみられることがある1)

 尿閉は前立腺肥大を伴う中高年男性に多い。海外の疫学研究の報告では,40~79歳の一般男性2,115名を50か月間経過観察すると,尿閉は1年間で千人あたり6.8回認められた。高年齢,国際前立腺症状スコア(IPSS)が重症,前立腺体積が30mlより大きいなどが尿閉発症の危険因子と報告されている2)

参考文献

1)本間之夫,西沢 理,山口 脩:下部尿路機能に関する用語基準―国際禁制学会標準化部会報告.日排尿機能会誌14:278-289,2003
2)Kirby R and Lepor H:Evaluation and nonsurgical management of benign prostatic hyperplasia. In:Campbell-Walsh Urology, 9th ed. edited by Kavoussi LR, Novick AC, Partin AW, et al. Saunders Elsevier, Philadelphia, pp2774-2775, 2007
3)Fitzpatrick JM, Desgrandchamps F, Adjali K, et al:Management of acute urinary retention:a worldwide survey of 6074 men with benign prostatic hyperplasia.BJU Int 109:88-95, 2011
4)Wein AJ:Lower urinary tract dysfunction in neurologic injury and disease. In:Campbell-Walsh Urology, 9th ed. edited by Kavoussi LR, Novick AC, Partin AW, et al. Saunders Elsevier, Philadelphia, pp2040-2041, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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