icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患 腎および腎盂の先天異常

022 囊胞腎

著者: 西松寛明1 本間之夫1

所属機関: 1東京大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.72 - P.73

文献購入ページに移動
1 概念・病因

 腎の囊胞は尿細管の拡張から始まる。一方,尿細管の上皮にはcilia(繊毛)と呼ばれる細胞外小器官が存在する。近年,遺伝性の囊胞性腎疾患の原因遺伝子がつぎつぎに同定されていく中で,それらの分子が尿細管のciliaに局在することが明らかにされ,囊胞性腎疾患の発症機序においてciliaが注目を浴びるようになった1)。腎臓に囊胞を形成する疾患は,遺伝性と後天性の囊胞に分かれるが,原因や病態はさまざまである。本項では,遺伝性の囊胞性腎疾患のみを取り上げる。

参考文献

1)横山尚彦:繊毛病としての囊胞性腎疾患.日本臨牀69:1495-1503,2011
2)Higashihara E, Nutahara K, Kojilna M, et al:Prevalence and renal prognosis of diagnosed autosomal dominant polycystic kidney disease in Japan. Nephron 80:421-427, 1998
3)Torres VE, Harris PC and Pirson Y:Autosomal dominant polycystic kidney disease. Lancet 369:1287-1301, 2007
4)Chapin H and Caplan MJ:The cell biology of polycystic kidney disease. J Cell Biol 191:701-710, 2010.
5)武藤 智,堀江重郎:多発性囊胞腎の新しいガイドライン.医学のあゆみ238:865-866,2011
6)Ward CJ, Hogan MC, Rossetti S, et al:The gene mutated in autosomal recessive polycystic kidney disease encodes a large receptor-like protein. Nat Genet 30:259-269, 2002
7)Wolf MT and Hildebrandt F:Nephronophthisis. Pediatr Nephrol 26:181-194, 2011
8)奴田原紀久雄:多発性囊胞腎の病態と治療―最近の治験動向を含めて.Nephrol Front 10:132-135,2011
9)中西浩一,吉川徳茂:繊毛病.日小児腎臓病会誌25:127-131,2012
10)武藤 智,堀江重郎:多発性囊胞腎診療ガイドライン.綜合臨牀60:1315-1319,2011
11)東原英二:多発性囊胞腎(ADPKD)の治療は可能か? 泌尿器外科25:2027-2029,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら