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特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患 尿道の先天異常
033 尿道狭窄(urethral stenosis)
著者: 宮北英司1
所属機関: 1東海大学医学部附属大磯病院泌尿器科
ページ範囲:P.97 - P.98
文献購入ページに移動先天性尿道狭窄は,発生学的に内胚葉性の一次尿道と外胚葉性の二次尿道の接合部に発生し,その間にある尿生殖膜(urogenital membrane)は胎生7週で開口するが,先天性尿道狭窄はこの尿生殖膜の遺残に由来するものと考えられている。狭窄部は男子では尿道括約筋の遠位側の球部尿道にあり球部尿道狭窄(bulbar urethral stenosis),女子では外尿道口の近位側に存在し末しょう部尿道狭窄(distal urethral stenosis),尿道リングと呼ばれる。尿道リングはわが国では多くの泌尿器科医に認知されているが,世界的に認められた疾患ではない。Mini-valve,Cobb's color1),Moormann's ring2),Congenital obstructive posterior urethral membrane3)など,さまざまな疾患が報告されているが,統一見解がない。
類似した疾患に,先天性男児尿道閉塞疾患として後部尿道弁があるが,別稿に委ねる。
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