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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患 尿道の先天異常

034 尿道下裂

著者: 三井貴彦1 守屋仁彦1 野々村克也1

所属機関: 1北海道大学医学部腎泌尿器外科学

ページ範囲:P.99 - P.101

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1 概念・病因

 尿道下裂は,陰茎腹側面の発達に欠陥があり亀頭部先端よりも近位側に外尿道口が開口している先天的な疾患で,勃起時に陰茎が下側に向く索変形を伴うことが多い(図1)。これは尿道の発達が途中で止まってしまい陰茎の腹側(下側)で尿道がうまく形成されなかったために生じるが,その病因の詳細は不明である。内因的要因として胎児の精巣が作り出す男性ホルモンの異常,外因的要因として母体が妊娠中に受けた内分泌的環境の変化が関与していると考えられている。発生頻度は,男子出生の300~1,000人に1人の割合と報告されているが,近年環境ホルモンの影響などで増加傾向にあると報告されている1)

 尿道下裂は,外尿道口の位置によって亀頭部,冠状溝,陰茎振子部,陰茎陰囊部,陰囊部,会陰部に細分化される。しかし,実際には外尿道口近位の尿道はしばしば形成不全で上皮のみで形成されていることや,陰茎の屈曲を解除した際に事実上の外尿道口はさらに近位に後退していることから,索切除後の外尿道口の位置により,遠位型と近位型の2つに分類することが行われている。

参考文献

1)Wein AJ, Kavoussi LR, Novic AC, et al:Campbell-Walsh Urology, 10th ed. Saunders, Philadelphia, pp3503-3536, 2011
2)Koyanagi T, Nonomura K, Yamashita T, et al:One-stage repair of hypospadias:is there no simple method universally applicable to all types of hypospadias? J Urol 152:1232-1237, 1994
3)Moriya K, Kakizaki H, Tanaka H, et al:Long-term cosmetic and sexual outcome of hypospadias surgery:norm related study in adolescence. J Urol 176(4 Pt 2):1889-1892;discussion 1892-1893, 2006
4)Moriya K, Kakizaki H, Tanaka H, et al:Long-term patient reported outcome of urinary symptoms after hypospadias surgery:norm related study in adolescents. J Urol 178(4 Pt 2):1659-1662;discussion 1662, 2007
5)Moriya K, Mitsui T, Tanaka H, et al:Long-term outcome of pituitary-gonadal axis and gonadal growth in patients with hypospadias at puberty. J Urol 184(4 Suppl):1610-1614, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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