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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患 精巣の先天異常

036 停留精巣

著者: 水野健太郎1 神沢英幸1 林祐太郎1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野

ページ範囲:P.105 - P.107

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1 概念・成因

 停留精巣は出生時の罹患率が4.1~6.9%であるが,自然下降により3か月で1.0~1.6%になる。以降は変わらず1歳で1.0~1.7%である。低出生体重児,早期産児では成熟児,正期産児に比べて自然下降率が高い。それでも6か月までに自然下降はほぼ完了する1)。出生直後は両側性:片側性=39%:61%であるが,3か月では両側性:片側性=17%:83%となる。

 本邦では2005年に日本小児泌尿器科学会が『停留精巣診療ガイドライン』を作成した2)。これは2003年までに著された停留精巣に関する臨床論文1,801編を基に作成されている。その後約10年が経過し,多くの臨床研究が報告されているが,過去のエビデンスを覆す知見はないので,現行の『ガイドライン』に従って診療をすればよいものと考える。

参考文献

1)Hamza AF, Elrahim M, Elnagar O, et al:Testicular descent:when to interfere? Eur J Pediatr Surg 11:173-176, 2001
2)日本小児泌尿器科学会学術委員会(編):停留精巣診療ガイドライン.日小泌会誌14:117-152,2005
3)林 祐太郎,丸山哲史,小島祥敬,他:移動性精巣について―家族への説明と手術適応は? 小児外科38:373-376,2006
4)Hadziselimovic F and Herzog B:Treatment with a luteinizing hormone:releasing hormone analogue after successful orchiopexy markedly improves the chance of fertility later in life. J Urol 158:1193-1195, 1997
5)Mizuno K, Hayashi Y, Kojima Y, et al:Early orchiopexy improves subsequent testicular development and spermatogenesis in the experimental cryptorchid rat model. J Urol 179:1195-1199, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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