臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ　疾患・病態の診療 1　先天性疾患および小児泌尿器科疾患 陰茎および陰囊の先天異常

038　包　茎

著者： 水野健太郎¹ 井村誠¹ 林祐太郎¹

所属機関： ¹名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野

ページ範囲：P.112 - P.116

文献概要

1　概念・成因

　出生時，包皮と亀頭は生理的に癒合しているため，通常亀頭は露出していない。英国の疫学調査では，包皮の翻転が可能なのは，出生時が5％未満，1歳で50％，3歳で90％であった。デンマークでの調査でもほぼ同様の結果で，さらに17歳で包皮翻転ができないのは1％未満であった。本邦では，包皮がまったく翻転できないのは6か月の47.1％が11～15歳になると0％に減少したと報告された。

参考文献

1）林祐太郎，窪田正幸：ワークショップ「小児の包茎の診療について」座長まとめ．日小児泌尿器会誌17：113-119，2008

2）Hayashi Y, Kojima Y, Mizuno K, et al：A Japanese view on circumcision：nonoperative management of normal and abnormal prepuce. Urology 76：21-24, 2010

3）Hayashi Y, Kojima Y, Mizuno K, et al：Prepuce：phimosis, paraphimosis, and circumcision. Sci World J 11：289-301, 2011

4）Pileggi FO, Martinelli CE Jr, Tazima MF, et al：Is suppression of hypothalamic-pituitary-adrenal axis significant during clinical treatment of phimosis? J Urol 183：2327-2331, 2010

5）Yanagisawa N, Baba K, Yamagoe M, et al：Conservative treatment of childhood phimosis with topical conjugated equine estrogen ointment. Int J Urol 7：1-3, 2000