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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ 疾患・病態の診療 3 尿路機能障害および尿路閉塞性疾患 下部尿路機能障害

045 過活動膀胱(切迫性尿失禁を含む)

著者: 栗崎功己1

所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.135 - P.136

文献概要

1 概念・病因

 過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は,尿意切迫感を必須とした症状症候群であり,通常は頻尿と夜間頻尿を伴うとされているが,切迫性尿失禁は必須ではない。尿意切迫感は,通常の尿意とは異なる,急に起こる,抑えられないような強い尿意で,我慢することが困難な愁訴である。国際禁制学会の2002年用語基準によると,OABは症状症候群であり,その診断のためには膀胱腫瘍,膀胱結石,尿路感染などの局所的な病態を除外する必要がある。具体的に除外診断の対象となるものは,膀胱疾患(膀胱癌,膀胱結石,膀胱炎),前立腺癌,全身性疾患(糖尿病,心不全など),行動や身体機能の異常,アルコールやカフェイン摂取などの生活習慣,薬剤の副作用など多彩である。

 過活動膀胱の病因は表11)のとおり多彩である。病因は大きく分けて「神経因性」のものと「非神経因性」のものとがある。このうち,神経因性のものは,脳幹部橋より上位の障害によるものと,脊髄の障害によるものとに分けられる。

参考文献

1)日本排尿機能学会,過活動膀胱ガイドライン作成委員会 編:過活動膀胱診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,東京,2005
2)Homma Y, Yoshida M, Seki N, et al:Symptom assessment tool for overactive bladder syndrome:Overactive Bladder Symptom Score. Urology 68:318-323, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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