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特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療 3 尿路機能障害および尿路閉塞性疾患 下部尿路機能障害
文献概要
1 概念・病因
過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は,尿意切迫感を必須とした症状症候群であり,通常は頻尿と夜間頻尿を伴うとされているが,切迫性尿失禁は必須ではない。尿意切迫感は,通常の尿意とは異なる,急に起こる,抑えられないような強い尿意で,我慢することが困難な愁訴である。国際禁制学会の2002年用語基準によると,OABは症状症候群であり,その診断のためには膀胱腫瘍,膀胱結石,尿路感染などの局所的な病態を除外する必要がある。具体的に除外診断の対象となるものは,膀胱疾患(膀胱癌,膀胱結石,膀胱炎),前立腺癌,全身性疾患(糖尿病,心不全など),行動や身体機能の異常,アルコールやカフェイン摂取などの生活習慣,薬剤の副作用など多彩である。
過活動膀胱の病因は表11)のとおり多彩である。病因は大きく分けて「神経因性」のものと「非神経因性」のものとがある。このうち,神経因性のものは,脳幹部橋より上位の障害によるものと,脊髄の障害によるものとに分けられる。
過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は,尿意切迫感を必須とした症状症候群であり,通常は頻尿と夜間頻尿を伴うとされているが,切迫性尿失禁は必須ではない。尿意切迫感は,通常の尿意とは異なる,急に起こる,抑えられないような強い尿意で,我慢することが困難な愁訴である。国際禁制学会の2002年用語基準によると,OABは症状症候群であり,その診断のためには膀胱腫瘍,膀胱結石,尿路感染などの局所的な病態を除外する必要がある。具体的に除外診断の対象となるものは,膀胱疾患(膀胱癌,膀胱結石,膀胱炎),前立腺癌,全身性疾患(糖尿病,心不全など),行動や身体機能の異常,アルコールやカフェイン摂取などの生活習慣,薬剤の副作用など多彩である。
過活動膀胱の病因は表11)のとおり多彩である。病因は大きく分けて「神経因性」のものと「非神経因性」のものとがある。このうち,神経因性のものは,脳幹部橋より上位の障害によるものと,脊髄の障害によるものとに分けられる。
参考文献
1)日本排尿機能学会,過活動膀胱ガイドライン作成委員会 編:過活動膀胱診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,東京,2005
2)Homma Y, Yoshida M, Seki N, et al:Symptom assessment tool for overactive bladder syndrome:Overactive Bladder Symptom Score. Urology 68:318-323, 2006
掲載誌情報