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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ 疾患・病態の診療 3 尿路機能障害および尿路閉塞性疾患 下部尿路機能障害

047 神経因性膀胱

著者: 栗崎功己1

所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.139 - P.140

文献概要

1 概念・病因

 神経疾患に起因する蓄尿と排尿の障害を総称して,神経因性膀胱というが,その病態,病因は極めて多彩である。神経因性膀胱の症状も多彩であり,排出障害,蓄尿障害,繰り返す有熱性尿路感染症などさまざまな病態を認めるが,いずれにしても治療の目標は,腎機能障害を進行させない尿路管理,尿路感染を起こさない尿路管理である。神経因性膀胱をきたす疾患を考えるときに,①脳幹部橋より上位中枢の障害と,②脊髄の障害とに分けることが重要である1)。①脳幹部橋より上位中枢の障害では,脳血管障害,パーキンソン病に代表される変性疾患,Shy-Drager syndrome,オリーブ橋小脳萎縮症,線条体黒質変性症などの多系統萎縮症,認知症などが挙げられる。また,②脊髄の障害では,脊髄損傷,多発性硬化症などがある。そのほか,糖尿病や骨盤内手術に起因する末しょう神経障害による排尿障害も神経因性膀胱として治療の対象となる。

参考文献

1)日本排尿機能学会,過活動膀胱ガイドライン作成委員会 編:過活動膀胱診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,東京,2005
2)日本泌尿器科学会2010年卒後教育テキスト―神経因性膀胱の診断と治療.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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