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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ 疾患・病態の診療 3 尿路機能障害および尿路閉塞性疾患 下部尿路機能障害

049 神経性頻尿

著者: 杉本周路1

所属機関: 1医療法人豊仁会三井病院泌尿器科

ページ範囲:P.143 - P.144

文献概要

1 概念・病因

 神経性頻尿は,1859年Brignetによる神経症の婦人に下部尿路症状を訴える症例が多いとの報告から注目された疾患である。精神的緊張が頻尿,尿失禁,疼痛,不快感,残尿感などの膀胱刺激症状をきたすが,分類や定義に明確なものはない1)

 近年,過活動膀胱(overactive bladder:OAB)の概念を国際尿禁制学会(International Continence Society:ICS)が提唱し2),さらに新規の抗コリン薬が市場に出てからは,病因を追求するよりも蓄尿時の症状を軽減することが優先されて治療が開始される傾向にある。なぜなら,排尿症状を蓄尿期と排尿期で分けると,蓄尿期の占める時間のほうが長いので,蓄尿障害は患者のQOLを低下させるためである。一般に頻尿は多尿,膀胱排尿筋過活動膀胱,残尿量の増加で起こり得るが,神経性頻尿はそれらによらない頻尿であり,環境やストレス,情動により起こる。抗コリン剤の効果が不十分な蓄尿障害は神経性頻尿も疑うべき疾患となる。

参考文献

1)安田耕作:神経性頻尿の薬物療法.日医師会誌110:1821-1824,1993
2)Abrams P, Cardozo L, Fall M, et al:The standardization of terminology of lower urinary tract function:report from the Standardisation Sub-committee of the International Continence Society. Neurourol Urodyn 21:167-178, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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