文献詳細
特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療 4 尿路・性器の感染症 非特異的感染症
文献概要
1 概念・病因
複雑性尿路感染症は,尿路の機能的ないし器質的基礎疾患に伴う尿流障害(残尿,水腎症など)やカテーテル留置などを背景に発症する。罹患年齢は老年期に偏り,泌尿器科における男女比は2~3:1である。主な基礎疾患は前立腺肥大症,前立腺癌,膀胱癌,神経因性膀胱,尿道狭窄,膀胱結石などであるが,糖尿病,ステロイド・抗癌剤投与中など,全身性感染防御能の低下状態も含まれる。
臨床症状に乏しく慢性の経過を示すが,尿流障害の増悪を契機として急性増悪(敗血症を含む急性腎盂腎炎)を呈する。この急性増悪時の感染症は抗菌化学療法の絶対的適応である。基礎疾患が除去されない限り再発を繰り返し,単純性膀胱炎のような臨床的治癒は得られないことも多い。
複雑性尿路感染症は,尿路の機能的ないし器質的基礎疾患に伴う尿流障害(残尿,水腎症など)やカテーテル留置などを背景に発症する。罹患年齢は老年期に偏り,泌尿器科における男女比は2~3:1である。主な基礎疾患は前立腺肥大症,前立腺癌,膀胱癌,神経因性膀胱,尿道狭窄,膀胱結石などであるが,糖尿病,ステロイド・抗癌剤投与中など,全身性感染防御能の低下状態も含まれる。
臨床症状に乏しく慢性の経過を示すが,尿流障害の増悪を契機として急性増悪(敗血症を含む急性腎盂腎炎)を呈する。この急性増悪時の感染症は抗菌化学療法の絶対的適応である。基礎疾患が除去されない限り再発を繰り返し,単純性膀胱炎のような臨床的治癒は得られないことも多い。
参考文献
1)河田幸道:尿路感染症の基礎と臨床.日本医事新報社,東京,1992
2)日本化学療法学会臨床評価法制定委員会:尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン第1版.日化療会誌57:1-20,2009
3)JAID/JSC感染症治療ガイド委員会:JAID/JSC感染症治療ガイド2011.日本感染症学会,東京,2012
掲載誌情報