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特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 4 尿路・性器の感染症 非特異的感染症
056 急性細菌性前立腺炎
著者: 矢澤聰1 本郷周1 大家基嗣1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.162 - P.164
文献購入ページに移動急性細菌性前立腺炎は,主に細菌が尿路から逆行性に前立腺内へ侵入することにより生じる細菌感染である1)。重症例では敗血症をきたしうるので,初療時に重症例を見逃さないことが重要である2,3)。また,男性の発熱性疾患の鑑別診断としても重要である。
主な起因菌はグラム陰性桿菌,中でも大腸菌が約6割を占める。そのほか,尿路感染症を引き起こす腸内細菌属が2割分離され,グラム陽性球菌も2割程度分離されるが,それぞれの菌種の病原性については議論のあるところである。性感染症は数%程度と比較的稀であり,若年者に対するempirical therapyにおいても抗菌薬選択時に淋菌,クラミジア・トラコマティスのカバーは不要と考えられている。
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