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特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療 4 尿路・性器の感染症 非特異的感染症
文献概要
1 概念・病因
急性細菌性前立腺炎は,主に細菌が尿路から逆行性に前立腺内へ侵入することにより生じる細菌感染である1)。重症例では敗血症をきたしうるので,初療時に重症例を見逃さないことが重要である2,3)。また,男性の発熱性疾患の鑑別診断としても重要である。
主な起因菌はグラム陰性桿菌,中でも大腸菌が約6割を占める。そのほか,尿路感染症を引き起こす腸内細菌属が2割分離され,グラム陽性球菌も2割程度分離されるが,それぞれの菌種の病原性については議論のあるところである。性感染症は数%程度と比較的稀であり,若年者に対するempirical therapyにおいても抗菌薬選択時に淋菌,クラミジア・トラコマティスのカバーは不要と考えられている。
急性細菌性前立腺炎は,主に細菌が尿路から逆行性に前立腺内へ侵入することにより生じる細菌感染である1)。重症例では敗血症をきたしうるので,初療時に重症例を見逃さないことが重要である2,3)。また,男性の発熱性疾患の鑑別診断としても重要である。
主な起因菌はグラム陰性桿菌,中でも大腸菌が約6割を占める。そのほか,尿路感染症を引き起こす腸内細菌属が2割分離され,グラム陽性球菌も2割程度分離されるが,それぞれの菌種の病原性については議論のあるところである。性感染症は数%程度と比較的稀であり,若年者に対するempirical therapyにおいても抗菌薬選択時に淋菌,クラミジア・トラコマティスのカバーは不要と考えられている。
参考文献
1)安田 満:前立腺炎・精巣炎・精巣上体炎,腎疾患治療マニュアル2012-13.腎と透析72(suppl):489-491,2012
2)矢澤 聰,金尾健人,大家基嗣,他:古くて新しい前立腺炎の臨床―急性細菌性前立腺炎の診断と対応.臨泌66:817-822,2012
3)Nickel JC:Chapter Ⅱ, Prostatitis and related conditions, orchitis, and epididymitis. In:Campbell-Walsh Urology, 10th ed. edited by Wein AJ, Kavoussi LR, Novick AC, et al. Saunders, Philadelphia, 2012
4)青木 眞:レジデントのための感染症診療マニュアル,第2版.医学書院,東京,pp575-578,2007
5)JAID/JSC感染症治療ガイド委員会 編:急性前立腺炎,JAID/JSC感染症治療ガイド2011.ライフサイエンス出版,東京,pp167-168,2012
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