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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 4 尿路・性器の感染症 非特異的感染症

057 急性精巣上体炎

著者: 本郷周1 矢澤聰1 大家基嗣1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.165 - P.167

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1 概念・病因

 急性精巣上体炎は陰囊内炎症性疾患の中で最も頻度の高い疾患である1)。発症年齢は20~30歳にピークがあり,性感染症の病原体としてのNeisseria gonorrhoeaeあるいはChlamydia trachomatis感染の頻度が最も高い2)。思春期以前あるいは中年以降では,尿路感染症の病原体であるEscherichia coliが最多であり,そのほかにHaemophilus influenzaProteus mirabilisKlebsiella pneumoniaePseudomonas aeruginosaなども原因となりうる2,3)。また,男性の発熱性疾患の鑑別診断としても重要である。結核感染から二次性に精巣上体炎を発症することが稀にあり,免疫抑制状態などの高リスクな症例で症状が長引く場合は,鑑別診断として考えるべきである1)

 非感染性精巣上体炎の原因として,Mycoplasma pneumoniae,Adenoviruses感染後の炎症性変化や,ベーチェット病などの血管炎,アミオダロンをはじめとする抗不整脈薬の服用などが知られている3)

参考文献

1)Trojian TH, Lishnak TS and Heiman D:Epididymitis and orchitis:an overview. Am Fam Physician 79:583-587, 2009
2)Krieger JN:Prostatitis:epididymitis, and orchitis. In:Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases. 7th ed. edited by Mandell GL. Churchill Livingstone, Philadelphia, pp1521-1527, 2009
3)日本性感染症学会ガイドライン委員会:性感染症 診断・治療ガイドライン2011.日性感染症会誌22:11-13,2011
4)JAID/JSC感染症治療ガイド委員会 編:急性精巣上体炎,JAID/JSC感染症治療ガイド2011.ライフサイエンス出版,東京,pp168-169,2011
5)Centers for Disease Control and Prevention:2010 STD Treatment Guidelines. http://www.cdc.gov/std/treatment/2010/toc.htm

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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