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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 4 尿路・性器の感染症 寄生虫疾患,真菌感染症

068 フィラリア性乳糜尿症

著者: 大城吉則1 町田典子1 斎藤誠一1

所属機関: 1琉球大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.202 - P.203

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1 概念・病因

 乳糜尿症は蚊によって媒介されるバンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)のリンパ管内への寄生によるリンパ管炎が原因で,リンパ管と腎杯・腎盂そして尿管などの尿路との瘻孔が形成されたことによって起こる1)。本来なら腸管から吸収された脂肪は腸管のリンパ管を経由して胸管に運ばれるが,リンパ管と尿路に瘻孔が形成されると,脂肪の多い食事を摂取したときに尿路に脂肪球,リンパ液が漏れ出てくる。その際に尿が白色混濁した状態を乳糜尿,そして血尿を合併したときには乳糜血尿の状態となる。

参考文献

1)山口富雄:Ⅴ.線虫類―C.血液および組織寄生の線虫類:大鶴正満(編):臨床寄生虫学,改訂第4版.南江堂,東京,pp271-298,1994
2)Ghoneim IA, Rabets JC and Mawhorter SD:Section Ⅳ Infection and inflamation, Chapter 16 Tuberculosis and other opportunistic infections of the genitourinary system:Genital Filariasis. In:Campbell-Walsh Urology, 10th ed. edited by Wein AJ, et al. Elsever Saunders, Philadelphia, pp486-489, 2012
3)河田幸道:Ⅶ.尿路感染症―2.尿路性器の特異的感染症:吉田 修(編):ベッドサイド泌尿器科学―診断・治療編,改訂第3版.南江堂,東京,pp265-267,2000
4)Kavoussi R, Schwartz MJ and Gill IS:Section Ⅻ Neoplasma of the upper urinary tract, Chapter 55 Laparoscopic surgery of the kidney:Nephrolysis. In:Campbell-Walsh Urology, 10th ed. edited by Wein AJ, et al. Elsever Saunders, Philadelphia, pp1647-1648, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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