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特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療 5 腎疾患 腎不全
文献概要
1 概念・病因
急性腎不全(ARF)は,急激な腎機能の低下の結果,体液の恒常性が維持できなくなった状態と定義される。近年,急性の腎障害は,軽度であっても生命予後に重要な因子であることが認識され,急性腎障害という名称が普及しつつある1)。今回は,従来の明らかに腎機能が不全状態を示すARFにつき解説する。
ARFには,乏尿性ARFと非乏尿性ARFがある。通常経験する乏尿性ARFは血清クレアチニンが0.3~0.5mg/dl /日ずつ上昇することが多い。一方,非乏尿性ARFでは,血清クレアチニンの上昇にもかかわらず1日尿量が500ml 以上に保たれており,病態を見逃して治療が遅れる場合があるので注意が必要である。
急性腎不全(ARF)は,急激な腎機能の低下の結果,体液の恒常性が維持できなくなった状態と定義される。近年,急性の腎障害は,軽度であっても生命予後に重要な因子であることが認識され,急性腎障害という名称が普及しつつある1)。今回は,従来の明らかに腎機能が不全状態を示すARFにつき解説する。
ARFには,乏尿性ARFと非乏尿性ARFがある。通常経験する乏尿性ARFは血清クレアチニンが0.3~0.5mg/d
参考文献
1)Himmelfarb J and Ikizler TA:Acute kidney injury;changing lexicography, definitions, and epidemiology. Kidney Int 71:971-976, 2007
2)佐藤 滋:腎不全(急性腎不全).臨泌62(増刊):288-290,2008
3)高K血症,代謝性アシドーシスの管理.In:CKD診療ガイド2012.edited by日本腎臓学会.東京医学社,東京,pp86-89,2012
4)鈴木正司(監):急性腎不全に対する血液浄化療法.In:透析療法マニュアル,改訂第7版.日本メディカルセンター,東京,pp600-605,2010
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