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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 5 腎疾患 その他の腎疾患

072 腎下垂(遊走腎)

著者: 成田伸太郎1

所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.213 - P.214

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1 概念・病因

 腎下垂(遊走腎,nephroptosis,falling kidney,floating kidney,wandering kidney)は立位により5cmもしくは2椎体腎が下垂する病態である。異所性腎(ectopic kidney)との違いは,体位によって腎が正常の位置に戻る点である。若い痩せの女性に多く発症するといわれ,男女比は3:100程度と報告されている1)。多くは症状もなく精査されないため,発症頻度は不明である。発症部位に関しては70%が左腎,10%が右腎,両側20%と報告されている。無症状の症例では治療の必要性はないが,疼痛,嘔気,嘔吐,肉眼的血尿,繰り返す尿路感染症,高血圧など有症状症例の中に治療が必要となる症例が存在する。症状を起こす原因としては,①間欠的尿路閉塞,②腎動脈閉塞による虚血,③腎門部体性神経牽引や刺激,④腎石灰化や腎盂腎炎などの二次的腎病理変化が考えられている。

参考文献

1)Srirangam SJ, Pollard AJ, Adeyoju AA, et al:Nephroptosis:seriously misunderstood? BJU Int 103:296-300, 2008
2)Strohmever DM, Peschel R, Effert P, et al:Changes of renal blood flow in nephroptosis:assessment by color Doppler imaging, isotope renography and correlation with clinical outcome after laparoscopic nephropexy. Eur Urol 45:790-793, 2004
3)Plas E, Daha K, Riedl CR, et al:Long-term follow-up after laparoscopic nephropexy for symptomatic nephroptosis. J Urol 166:449-452, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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