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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ 疾患・病態の診療 5 腎疾患 その他の腎疾患

074 移植腎拒絶反応

著者: 石井大輔1 吉田一成1

所属機関: 1北里大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.217 - P.219

文献概要

1 概 念

 同種腎移植は腎代替療法の1つとして挙げられ,ほかの代替療法に比して根治療法に近いとされているが,免疫抑制が必要である。近年の免疫抑制剤の進歩により多くの拒絶反応は克服できるようになってきており,特に急性拒絶反応はカルシニューリン阻害剤(CNI)により劇的に減少し,生着率の向上につながった。検査法の進歩も生着率の改善に寄与しておりdirect crossmatchに加えて,より感度の高いflow crossmatchやluminexなど,術前から既存抗体を持つハイリスク患者の選定が可能となってきている。しかしながら急性拒絶反応が減少している一方,長期の移植腎生着率は慢性拒絶反応により満足のいく成績とはいえず,現在の腎移植は慢性拒絶反応の克服が長期生着の鍵となっている。

参考文献

1)佐藤 滋:拒絶反応の臨床診断.腎移植・血管外科19:120-124,2007
2)Gray D, Shepherd H, Morris PJ, et al:Oral versus intravenous high-dose steroid treatment of renal allograft rejection:the big shot or not? Lancet 1:117, 1978
3)遠藤忠雄:腎移植に使用される薬剤―デオキシスパガリン(塩酸グスペリムス).腎と透析41:642-644,2006
4)Sonnenday CJ, Warren DS, Montgomery RA, et al:Plasmapheresis, CMV hyperimmune globulin, and anti-CD20 allow ABO-incompatible renal transplantation without splenectomy. Am J Transplant 4:1315-1322, 2004
5)Perry DK, Burns JH, Stegall MD, et al:Proteasome inhibition causes apoptosis of normal human plasma cells preventing alloantibody production. Am J Transplant 9:201-209, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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