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特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 6 尿路結石および結石関連疾患 結石関連疾患
079 高尿酸尿症
著者: 伊藤恭典1
所属機関: 1名古屋市立西部医療センター泌尿器科
ページ範囲:P.229 - P.230
文献購入ページに移動高尿酸尿症に合併する結石は必ずしも尿酸結石ばかりではない。尿路結石症の中で最も頻度が高いシュウ酸カルシウム結石の形成にも大きく関与している。Coeら1)は,尿中への過剰な尿酸排泄が,シュウ酸カルシウム結石形成と密接な関連があるとし,高尿酸尿を伴うシュウ酸カルシウム結石症(hyperuricosuric calcium oxalate nephrolithiasis)の存在を明らかにした。尿中で溶解している尿酸が一定の濃度を超えるとシュウ酸カルシウムの溶解度を下げ,不均一核形成を促進し,結晶が析出しやすくなることが主な原因と考えられている。一方,Curhanら2)は,3,350名の24時間尿と結石形成リスクの横断研究を行い,尿中カルシウム増加,尿中シュウ酸増加,尿中クエン酸減少,尿量減少は結石形成リスクを有意に高めたが,高尿酸尿の状態は必ずしもシュウ酸カルシウム結石のリスクを高めないことを報告した。
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