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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 6 尿路結石および結石関連疾患 結石関連疾患

079 高尿酸尿症

著者: 伊藤恭典1

所属機関: 1名古屋市立西部医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.229 - P.230

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1 概念・病因

 高尿酸尿症に合併する結石は必ずしも尿酸結石ばかりではない。尿路結石症の中で最も頻度が高いシュウ酸カルシウム結石の形成にも大きく関与している。Coeら1)は,尿中への過剰な尿酸排泄が,シュウ酸カルシウム結石形成と密接な関連があるとし,高尿酸尿を伴うシュウ酸カルシウム結石症(hyperuricosuric calcium oxalate nephrolithiasis)の存在を明らかにした。尿中で溶解している尿酸が一定の濃度を超えるとシュウ酸カルシウムの溶解度を下げ,不均一核形成を促進し,結晶が析出しやすくなることが主な原因と考えられている。一方,Curhanら2)は,3,350名の24時間尿と結石形成リスクの横断研究を行い,尿中カルシウム増加,尿中シュウ酸増加,尿中クエン酸減少,尿量減少は結石形成リスクを有意に高めたが,高尿酸尿の状態は必ずしもシュウ酸カルシウム結石のリスクを高めないことを報告した。

参考文献

1)Coe FL, Evan A and Worcester E:Kidney stone disease. J Clin Invest 115:2598-2608, 2005
2)Curhan GC and Taylor EN:24-h uric acid excretion and the risk of kidney stones. Kidney Int 73:489-496, 2008
3)ガイドライン作成委員会(日本泌尿器科学会,日本Endourology・ESWL学会,日本尿路結石症学会 編):尿路結石症診療ガイドライン.金原出版,東京,2002
4)Turk C, Knoll T, Petrik A, et al:Guidelines on uro-lithiasis. European Association of Urology, Arnhem, 2010
5)日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版).メディカルレビュー社,大阪,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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