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特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療 7 腫瘍 その他の腫瘍
文献概要
1 概念・病因
後腹膜はさまざまな成分の組織を含むため,発生する腫瘍の組織型も多岐にわたる(表1)。本項では中でも問題になる後腹膜原発軟部組織肉腫(retroperitoneal sarcoma:RPS)について詳細を述べる。
RPSは悪性疾患のうち比較的頻度は低く,全軟部組織肉腫の中でも15%程度である。好発年齢は60歳代であるが,幅広い年齢に発症する。男女差はやや男性に多い。RPSはかなり大きくならないと症状を呈さないため,診断時に局所進行している症例が多い。症状としては,腫瘤触知や,鈍痛,腹部不快,全身倦怠感などを呈する。組織学的には悪性度の高いものが多いのが特徴的である。組織型としては脂肪肉腫(41%),平滑筋肉腫(28%),悪性線維性組織球腫の順に多い。また,初診時に転移を有するものが10%ほどあり,好発転移部位は肺・肝である1)。
後腹膜はさまざまな成分の組織を含むため,発生する腫瘍の組織型も多岐にわたる(表1)。本項では中でも問題になる後腹膜原発軟部組織肉腫(retroperitoneal sarcoma:RPS)について詳細を述べる。
RPSは悪性疾患のうち比較的頻度は低く,全軟部組織肉腫の中でも15%程度である。好発年齢は60歳代であるが,幅広い年齢に発症する。男女差はやや男性に多い。RPSはかなり大きくならないと症状を呈さないため,診断時に局所進行している症例が多い。症状としては,腫瘤触知や,鈍痛,腹部不快,全身倦怠感などを呈する。組織学的には悪性度の高いものが多いのが特徴的である。組織型としては脂肪肉腫(41%),平滑筋肉腫(28%),悪性線維性組織球腫の順に多い。また,初診時に転移を有するものが10%ほどあり,好発転移部位は肺・肝である1)。
参考文献
1)Malkowicz SB:Retroperitoneal tumors. In:Campbell Walsh Urology, 10th ed. edited by Wein AJ, Kavoussi LR, Novick AC, et al. Elsevier Saunders, Philadelphia, pp1506-1515, 2011
2)Windham TC and Pisters PW:Pertoperitoneal sarcomas. Cancer Cotrol 12:36-45, 2005
3)Lewis JJ, Leung D and Woodruff JM:Retroperitoneal soft-tissue sarcoma:analysis of 500 patient treated and followed at a single institution. Ann Surg 228:355-365, 1998
4)Shibata D, Lewis JJ and Leung DH:Is there a role for incomplete resection in the management of retropritoneal liposarcomas? J Am Coll Surg 193:373-379, 2001
5)神波大己,川喜田睦司:Neoadjuvant CYVADICで治療した後腹膜平滑筋肉腫の1例.泌尿紀要43:577-580,1997
掲載誌情報