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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ 疾患・病態の診療 8 内分泌疾患 副甲状腺(上皮小体)疾患

100 二次性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症

著者: 小出卓生1

所属機関: 1大阪厚生年金病院泌尿器科

ページ範囲:P.285 - P.286

文献概要

1 概念・病因

 本項でも前項(99項)で断ったように,「副甲状腺」「上皮小体」の両者の呼称のうち「副甲状腺」に統一する。

 末期慢性腎疾患(CKD)患者や透析患者では,VDほかカルシウム代謝関連諸因子が関与して慢性的副甲状腺ホルモン(PTH)分泌刺激状態が継続する。この結果,副甲状腺過形成が進行し,二次性副甲状腺機能亢進症(secondary hyperparathyroidism:SHPT)を引き起こす。末期CKD・透析患者では,PTHの過剰分泌にもかかわらずVD活性化障害のために腸管でのCa吸収促進が亢進することなく,骨吸収の亢進や,高P血症と相まって血管や軟部組織の異所性石灰化などを生じる。放置すれば重篤な合併症を惹起するため,多くのSHPT患者で副甲状腺亜全摘除術や副甲状腺全摘除術+部分自家移植術(本項では,両手術をPTxと総称する)が行われてきた。

参考文献

1)岩元則幸,小野利彦:血液透析カレントトピックスCKD-MBDについて―ガイドライン,治療法選択,PTx.臨泌65:553-560,2011
2)富永芳博:シナカルセト時代のPTx.日透医誌26:203-208,2011
3)小出卓生:画像診断の進歩を腫瘍手術に役立てる! 副甲状腺腫瘍の手術.臨泌66:193-199,2012
4)小出卓生:手術手技 目で見る泌尿器科手術のポイント[15]上皮小体摘除術.臨泌56:217-224,2002
5)武市宣雄,土肥雪彦,夜陣紘治:甲状腺E.合併症の処置1)反回・喉頭神経損傷.In:内分泌外科標準手術アトラス.edited by 阿曾佳郎,他,インターメルク,東京,pp87-93,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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