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特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 9 その他の疾患 尿管および後腹膜疾患
105 後腹膜(腔)線維(化)症
著者: 小松和人1
所属機関: 1福井赤十字病院腎臓・泌尿器科
ページ範囲:P.297 - P.298
文献購入ページに移動後腹膜(腔)線維(化)症〔以下,後腹膜線維症(retroperitoneal fibrosis)〕は,主に大動脈分岐部から総腸骨動脈周囲の後腹膜腔にびまん性に広がる線維組織の増生を特徴とする疾患である。その結果,尿管狭窄,水腎症,腎機能の荒廃を惹起することから,泌尿器的加療の適応となる。
1948年のOrmond1)の報告を嚆矢とするが,薬剤,血管の炎症などに起因する以外,その多くは従来,特発性とみなされてきた。しかしながら近年,IgG4陽性形質細胞浸潤を特徴として,腎尿路を含む全身臓器の線維化を生ずるIgG4関連硬化性疾患が本疾患と関係があるとの報告が散見され,注目されるようになった2)。
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