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特集 泌尿器科診療ベストNAVI Ⅱ 疾患・病態の診療 9 その他の疾患 尿道疾患
110 尿道狭窄
著者: 長岡明1
所属機関: 1山形大学医学部腎泌尿器外科学講座
ページ範囲:P.307 - P.308
文献購入ページに移動尿道狭窄とは,尿道壁の伸展性が低下し尿道内腔が狭くなり下部尿路症状を呈する病態を指す。尿道の構造は男女で異なり,尿道狭窄は男性に多い。また尿道狭窄は年齢に伴い増加し,英国では男性の尿道狭窄は若年者では10,000人に1人であるのに対し,55歳で2人,65歳で4人,65歳以上で10人と報告されている1)。尿道狭窄の原因は医原性,原因不明の特発性,外傷性が多く,淋菌感染に続発するものは今日では稀である2,3)。
前部尿道狭窄の成因は,尿道粘膜から尿道海綿体に至る線維化・瘢痕形成および瘢痕の収縮の結果,尿道内腔が狭くなって起こる。これに対し後部尿道狭窄は外傷や前立腺全摘などにより引き起こされる線維化による閉塞として起こる4)。
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