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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻4号

2013年04月発行

特集 泌尿器科診療ベストNAVI

Ⅱ 疾患・病態の診療 9 その他の疾患 陰囊内容の疾患

112 陰囊水腫

著者: 白石晃司1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野

ページ範囲:P.311 - P.312

文献概要

1 概念,病因

 陰囊水瘤,精巣水腫,精巣水瘤と同義である。精巣および付属器は胎生期に腹腔内から陰囊内へ下降する際に,腹膜の一部が一緒に引き降ろされる。この部分は精索上で腹膜鞘状突起として閉鎖し,精巣表面においては臓側板および壁側板により形成される精巣固有鞘膜腔として存在する。その内面を覆う腹膜からの分泌液が貯留した状態が主に成人で認められる,非交通性陰囊水腫である。小児例では腹膜鞘状突起が閉鎖していないため,腹腔内の腹水が流れ込む交通性陰囊水腫であり,鼠径ヘルニアと病態は同じで同義に扱われることが多いが,固有鞘膜内に内容物(腸など)が存在しない限り定義上ヘルニアとは言わない。

参考文献

1)寺島和光:精巣水瘤と精索水瘤.In:小児泌尿器科ハンドブック.edited by寺島和光.南山堂,東京,pp219-223,2005
2)Hinmam F Jr and Baskin LS:Testes and groin. In: Hinman's Atlas of Pediatric Urologic Surgery. edited by Hinmam F Jr and Baskin LS. Saunders, Philadelphia, pp557-650, 2009
3)Mirilas P and Mentessidou A:Microsurgical subinguinal varicocelectomy in children, adolescents, and adults:surgical anatomy and anatomically justified technique. J Androl 33:338-349, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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