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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻7号

2013年06月発行

雑誌目次

特集 過活動膀胱と紛らわしい疾患・病態―鑑別診断のポイント

企画にあたって

著者: 郡健二郎

ページ範囲:P.483 - P.483

 「過活動膀胱」に門外漢の私が,編集委員の藤岡・大家両先生と専門家の方々にご相談しながら,本特集を企画しました。

 本特集のコンセプトは,過活動膀胱の診療力を高めることです。過活動膀胱の病名は,約10年前,突然私たちの目の前に現れました。とまどいもありましたが,過活動膀胱の概念が生まれてからは,診断基準は明確となり,治療法も整理されてきました。

Ⅰ.膀胱の異常

1.膀胱癌

著者: 鳥本一匡

ページ範囲:P.485 - P.490

要旨 過活動膀胱とは,患者の検査に伴う負担を軽減し,迅速に初期治療を行えるように定義された症状であり,その原因について必ずスクリーニングを行う必要がある。膀胱癌,特に上皮内癌では,過活動膀胱に類似した蓄尿症状を認めることが多い。血尿が存在する場合には膀胱癌を疑い,膀胱鏡および尿細胞診を行うべきである。しかし,膀胱癌に関連する血尿は,間欠的にしか認めないことも多く,診療経過が長期となった場合は膀胱癌が発生する可能性があるので,いったん膀胱癌が除外されても,過活動膀胱の診療中には定期的な尿検査を継続すべきである。また,尿細胞診は特異度は高いが,感度が低い検査であることも認識しておかなければならない。

2.間質性膀胱炎

著者: 野宮明 ,   本間之夫

ページ範囲:P.493 - P.501

要旨 間質性膀胱炎は,尿路上皮の慢性炎症性疾患で,炎症に伴う頻尿,夜間頻尿,尿意切迫感,膀胱痛,違和感,排尿時痛などを主徴としており,基本的には過活動膀胱と病態を異にするものと考えられている。しかし,間質性膀胱炎と過活動膀胱は,頻尿・尿意切迫感が共通しており,またともに客観的な評価が難しいことから,時として両者の鑑別に苦慮する場合がある。特に,痛みをあまり訴えない間質性膀胱炎といわゆる難治性過活動膀胱は,間質性膀胱炎と過活動膀胱のオーバーラップする部分でもあるが,基本は問診・検査の手順を踏んで診断を進め,それでも診たてが立たない場合は診断的治療で最終的な診断に至る場合もある。

Ⅱ.感染症

1.膀胱炎

著者: 秋野裕信

ページ範囲:P.503 - P.505

要旨 細菌性膀胱炎は頻尿をきたす代表的疾患であり,過活動膀胱との鑑別が必要である。急性膀胱炎は排尿痛や下腹部痛を伴い,鑑別に苦慮することは稀である。慢性膀胱炎は,通常基礎疾患を有しているが,過活動膀胱の病因に挙げられる疾患の多くは慢性複雑性膀胱炎の基礎疾患でもある。よって,慢性膀胱炎が存在しても過活動膀胱を除外することはできない。患者の診療においては尿検査,超音波検査,尿道膀胱鏡検査などにより慢性膀胱炎の基礎疾患を明らかにすることが最も重要である。

2.尿道炎

著者: 相川健

ページ範囲:P.507 - P.510

要旨 過活動膀胱は尿意切迫感という自覚症状に基づいて診断される。そのため尿意切迫感を引き起こす下部尿路の炎症,結石など他疾患を過活動膀胱と鑑別し,それぞれ適切な治療をすることが重要である。尿道炎は鑑別すべき疾患の1つであり鑑別のポイントは尿意切迫感以外の下部尿路症状,特に排尿時痛や尿道分泌物の有無,尿検査の異常の有無である。尿道炎の鑑別は比較的容易であるが,鑑別すべき疾患として念頭に置くことは重要である。尿道の炎症がどのような機序で尿意切迫感を引き起こすのか,ラットを使った基礎研究や臨床データより排尿調節機構の1つである尿道膀胱反射が重要な役割を果たしていることを解説した。

Ⅲ.婦人科疾患

1.子宮内膜症

著者: 野口満 ,   生駒彩 ,   東武昇平 ,   魚住二郎

ページ範囲:P.513 - P.516

要旨 過活動膀胱(overactive bladder:OAB)の診断は臨床症状と除外診断により行われ,女性OAB患者では子宮内膜症および子宮腺筋症はその鑑別疾患に挙がる。子宮内膜症ではOAB症状を呈することも多く,閉経前の女性のOAB診療では,子宮内膜症は念頭に置かれるべき疾患である。この鑑別診断には,月経周期とOAB症状の関連のほか,超音波検査などの画像診断,CA-125などの検査が有用である。子宮内膜症によるOAB症状であれば,抗コリン剤などのOAB治療薬ではなく,婦人科的治療が行われることになる。本稿では,過活動膀胱において鑑別されるべき子宮内膜症について概説する。

2.子宮癌・子宮筋腫・陰唇癒着症

著者: 加藤久美子 ,   鈴木省治 ,   鈴木晶貴 ,   山本茂樹 ,   古橋憲一 ,   鈴木弘一 ,   服部良平

ページ範囲:P.519 - P.524

要旨 骨盤底は性差が大きく,女性下部尿路症状には婦人科疾患が関与する場合がある。混合性尿失禁と頻尿から進行子宮頸癌を発見した症例,子宮筋腫で膀胱過伸展に伴い間欠的な尿閉を起こした症例,頻尿と尿失禁の主訴で陰唇癒着症がみつかった症例を提示する。過活動膀胱診療ガイドラインにあるように,尿検査,残尿検査は最低行うこと,婦人科疾患の可能性を念頭に置くこと,内診や膀胱鏡,画像検査を必要に応じ行うことが大切である。

Ⅳ.その他

1.多 尿

著者: 松本成史 ,   柿崎秀宏

ページ範囲:P.527 - P.530

要旨 過活動膀胱(overactive bladder:OAB)と紛らわしい疾患・病態の1つに多尿が挙げられる。多尿が存在すると当然排尿回数が増加し,みかけ上頻尿を呈するために,OABと捉えられることも多いと思われる。本稿では,多尿の病態を整理し,その診断・治療を再確認することにより,OABとの相違点の判断を述べたい。

2.心因性頻尿

著者: 窪田泰江

ページ範囲:P.533 - P.538

要旨 心因性頻尿は成人では女性に多く,無意識の心理的緊張や精神的不安により頻尿,尿意切迫感,時には切迫性尿失禁を起こす。昼間のみ著しい頻尿をきたすが,睡眠中にはほとんど症状が認められない。また昼間でも何かに集中しているときは尿意を感じないことが多い。診断には,器質的病変,神経学的障害,尿路感染症など,明らかな頻尿の原因となる疾患を除外する必要がある。また排尿日誌も診断に有用であり,早朝一番尿などは十分な蓄尿量を認めるが,覚醒して行動し出すと1回排尿量が減少し,頻尿を認める。治療は心的障害の改善を優先させるが,泌尿器科単独では難しい場合もあり,心療内科や精神科の協力が必要となる。

知っていると役立つ泌尿器病理・15

症例:50代・男性

著者: 松嶋惇 ,   清水道生

ページ範囲:P.475 - P.478

症例:50代・男性

 陰茎の腫瘤を自覚し,近医を受診。陰茎に弾性硬の腫瘤が触知された。摘出された検体の弱拡大(図1),中拡大(図2)および,近接する部位の強拡大(図3)の組織像を示す。

 1.病理診断は何か。

 2.鑑別診断は何か。

書評

「医療事故の舞台裏―25のケースから学ぶ日常診療の心得」―長野展久 著 フリーアクセス

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.491 - P.491

 この本は損害保険会社の顧問医師により書かれたものである。本書で記載されている25のケースはドキュメントファイルと呼ばれ,実際の医療紛争事例を臨場感あふれるドキュメンタリー風のケースシナリオにアレンジしたものであり,なぜ医療事故や訴訟に至ったのかがていねいに解説されている。数多くの医療事故での紛争を観察した著者ならではのことであるが,賠償金の支払いを巡って医師側に責任があるのかないのかなどについてのポイントがわかりやすく記載されており,貴重な教訓が豊富にまとめられている。

 第一章では,診断での思い込みや見落としなどのピットフォール・バイアスによる診断エラーについてのケースファイルが収録されている。続く第二章では,患者さんや家族に対するインフォームドコンセントのあり方が問われたケースファイルが記載されている。そして第三章では,検査や治療のための医療手技に関連する事故についてのケースファイルが収録されており,CVカテーテルや内視鏡手技に伴う事故などで争われたものが集められている。

「あなたへの医師キャリアガイダンス」―岡田 定,堀之内秀仁,藤井健夫 編 フリーアクセス

著者: 石見陽

ページ範囲:P.511 - P.511

 実は,私自身も医学生時代,聖路加国際病院の研修とはどんなものなのだろう? と思い,半日だけ病棟を見学させていただいたことがある。地方の大学に通っていた私は情報に疎く,「将来は人が多く,モチベーションの高い仲間に囲まれる環境で働きたい」と考えながらも,部活動中心ののんびりした学生生活を送っており,気づいた時点で聖路加国際病院の夏休みの見学の応募期間は過ぎていたのだった。あきらめきれなかった私は,友人のつてをたどり,非公式に半日だけ院内を案内してもらった。その夜に開かれた宴会で聖路加国際病院での研修の激しさをうかがい,医師になるというのはこういうことかと身が引き締まる思いをしたことを思い出す。何よりこの病院に所属している研修医の方々の誇り・病院への愛情を感じ,感銘を受けたのである。結果として私は研修先を東京女子医科大学に決め,聖路加国際病院で研修をすることはなかったが,今でも私の中の憧れの病院であることに変わりはない。

 さて,本書は岡田 定先生,堀之内秀仁先生,藤井健夫先生が編者となり,過去または現在において,聖路加国際病院で診療にかかわった数十名の先生方が執筆した医学生・医師向けのキャリアガイドである。各先生方が,医師になるにあたってどのように悩み,医師になってからどのようなキャリアを志向し,障害を越え,今後どのように進んでいこうとしているのか? 後輩である医師・医学生を想定して執筆されている。

「ソーリー・ワークス!―医療紛争をなくすための共感の表明・情報開示・謝罪プログラム」―ダグ・ヴォイチェサック,ジェームズ・W・サクストン,マギー・M・フィンケルスティーン 著/前田正一 監訳/児玉 聡,高島響子 翻訳 フリーアクセス

著者: 田中まゆみ

ページ範囲:P.517 - P.518

 2012年10月に日本脳炎予防接種後の急死例が大々的に報道された。このケースでもそうだが,医療事故には複雑な要因がからんでおり,過誤の有無,過誤が悪い結果(死亡・後遺症など)の唯一の原因であったのかなど,すぐには結論が出ないことが多い。しかし,被害者にとっては「予期しない悪い結果」の原因として人為をまず疑うのは当然であろう。もし初期対応が不適切であると,加害者vs. 被害者の対立構図が生じ,訴訟に至ってしまう。

 しかし,医療訴訟に勝者はいない。信頼を裏切られた患者家族だけでなく,疑われたうえ「訴訟中は何もしゃべるな」と厳命される医療者もまた苦しむ。司法解剖がされたとしてもその結果は遺族にも医療者にも知らされることはないので,再発防止にも役立たない。最終的には医学的に医療過誤とはいえないという結論で終わることも多いが,それを「医療とはもともと不確実で未熟なものであり,司法でそれを裁くには限界がある」というふうにではなく,「医療訴訟では患者側が勝つことは難しい」というように受け止められてしまう。

「構造と診断―ゼロからの診断学」―岩田健太郎 著 フリーアクセス

著者: 前野哲博

ページ範囲:P.525 - P.525

 最近,臨床推論に注目が集まり,診断学に関する本が数多く上梓されている。ただ,その多くは,臨床診断に至るプロセスを理論的に記述したものや,「○○があれば△△病を疑う」といった実践的なマニュアル本が多い。本書は,そういった類書と一線を画し,著者の言葉を借りれば「メタ診断学」,つまり「診断する」という行為そのものに焦点を当て,診断とはそもそも何なのか,診断とはいかなる営為なのかを論じた本である。

 ひとくちに「診断」と言っても,実際の診療では患者ごとに1人ひとり病歴は違うし,いくら調べても診断がつかないことも多い。しかしながら,臨床医は診断がつくかどうかにかかわらず「決断」しなくてはならない。入院させるのか帰宅させるのか,薬を処方するのかしないのか,その場で決めなくてはならない。もっと悩まずに適切に診断をつけ,最良の医療を提供できる方法はないだろうか? もしも,臨床推論に関する本を片っ端から読みあさり,ハリソン内科学を全部暗記すれば,自信を持って診断をつけられるようになるだろうか? ―答えは「否」であろう。

「ティアニー先生のベスト・パール2」―ローレンス・ティアニー 著/松村正巳 訳 フリーアクセス

著者: 清田雅智

ページ範囲:P.531 - P.531

 物事を単純化することは,しばしば行動を誤らせる原因になる。現実世界では,単純化されたマニュアル的な対応だけでは通用しないことがしばしば起こる。しかし,細かいことにこだわらなければ,おおむねマニュアルは使い勝手がよいことが多い。

 クリニカル・パールというのは,米国では昔から行われていた教育手段だという。日本でも,経験のある医師がしばしば臨床の“コツ”を伝えるという教育手段はあった。それは経験則として語られていたと思う。個人的な見解だが,日本で聞くその手の“コツ”というのは,しばしば誤用されて伝わっているものだったり,独善的な知識の場合もあると感じていた。それはその経験則が,何から導き出されているのか十分検証されることがなかったからだと思っていた。私はそういう“コツ”を聞くと最初は疑いの目を持ち,書物や文献によって検証して納得したものしか信用していなかった。

「ブルガダ三兄弟の心電図リーディング・メソッド82」―野上昭彦,小林義典,鵜野起久也,蜂谷 仁 訳/Josep Brugada,Pedro Brugada,Ramon Brugada 著 フリーアクセス

著者: 相澤義房

ページ範囲:P.546 - P.546

 『ブルガダ三兄弟の心電図リーディング・メソッド82』(原書“Our Most Beloved Electro cardiograms”)が翻訳され,医学書院から上梓された。原著者は,あの高名なブルガダ三兄弟で,突然死蘇生例の中から特徴的な心電図所見を示す8例を報告し,これが今日Brugada症候群として知られるようになった。これは1992年の出来事であり,20年を経てその業績を称え,2012年のヨーロッパ心臓病学会(ESC)で表彰されている。以前,Pedro Brugada教授がBrugada症候群,私がJ波関連特発性心室細動,そしてSilvia Priori教授が遺伝性不整脈と,ウィーンのESCでシンポジウムの機会を作っていただいたのも10年以上昔の懐かしい思い出である。三兄弟の中で,とりわけ長男のP. Brugada教授はユーモアにあふれ,クリスマスカードならぬクリスマスメールを送ってくれるが,これが節約なのかエコなのかといった物議をかもしたりしている。

 さて,本書の内容であるが,全体で82題の心電図(不整脈)を取り扱っている。おのおの,不整脈の名前ではなくユーモアを含んだしかも本質的なタイトルが付けられている。そしてその解説(回答)は簡潔に,キーポイントを挙げるという形をとっている。取り上げられた不整脈は誰もが目にするはずのもので,決して稀なものに限ったり,奇をてらったものではない。ある程度ありふれた不整脈でありながらも,随所にさすが三兄弟と言うべき心電図診断における心がけが見てとれる気がする。

学会印象記

「第28回欧州泌尿器科学会総会(EAU)」印象記

著者: 石岡桂

ページ範囲:P.542 - P.543

2013年3月15日~19日,イタリアのミラノにおいて第28回欧州泌尿器科学会総会が開催されました。慶應義塾大学からは大家教授,宮嶋講師,菊地講師,金子先生,筆者(石岡)の計5名が参加しました。私にとって初めての国際学会への参加であり,出発前からわくわくすると同時に緊張感でいっぱいでした。

 3月14日の朝に成田を出発し,フランクフルト経由で3月14日の夜にミラノに到着しました。経由地のフランクフルトは雪が降っており,除雪のために乗継便の出発が遅れました。ミラノは日本と8時間の時差がありますが,機内で熟睡できたため,あまり疲れを感じませんでした。

病院めぐり

函館五稜郭病院泌尿器科

著者: 武藤雅俊

ページ範囲:P.544 - P.544

 函館市は,北海道南部に位置し,海を望む南側は津軽海峡を挟んで青森県と向かい合っています。道南と呼ばれる地区の中核都市で,主に漁業,観光業などによる産業を中心とした都市です。豊富な海産物を求め,毎年多くの観光客が訪れることで有名な街です。函館のランドマークともいえる五稜郭は,箱館開港に伴い防衛力の強化のために徳川家定の命により1866年に築造されました。五稜郭における有名な歴史的事件は,明治維新での戊辰戦争後期の箱館戦争でしょう。榎本武揚や土方歳三などの幕末の志士が最後の戦いを繰り広げた場所であり,今でも彼らを讃える名跡が残っております。現在では五稜郭公園という名称で,多くの市民の憩いの場となり,早朝から堀の周囲をジョギング,散歩などをしている方も多く見られます。春には桜が一面に咲き,花見の名所としても多くの人が集まる場所でもあります。夜も五稜郭は地場の海産物を用いた函館グルメを堪能できる一番の歓楽街でもあります。

 当院は,1950年2月16日に社会福祉法人函館厚生院函館五稜郭病院として開設され,五稜郭公園のすぐ近くにあります。現在23診療科,医師数約90名,病床数は580床,職員数約950名,1日あたりの外来数は1,054名,手術室は10室あり,年間手術数は5,392件です。医療機器も充実しており,PET-CT,IMRTなどの放射線診断,治療機器も導入済みで,地域がん診療連携拠点病院の指定も受けております。福利厚生もしっかりしており,院内イベントも多く,スタッフの満足度も高まり,皆一生懸命に働き,一生懸命遊ぶという,メリハリのついた環境にあるとてもよい病院です。

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.481 - P.481

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.547 - P.547

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.550 - P.550

著作権譲渡同意書 フリーアクセス

ページ範囲:P.551 - P.551

編集後記 フリーアクセス

著者: 郡健二郎

ページ範囲:P.552 - P.552

 毎年春になると,日泌総会やAUAなどの学会が立て続けに開催されます。それらの学会にすべて参加していると,本務が疎かになりがちなので,できる限り学会を選ぶようにしています。この考えを持つようになったきっかけは,私が教授に就任した年に,国立がんセンター元総長の杉村 隆先生が,日経新聞「私の履歴書」に書かれていた記事に共感したからです。

 杉村先生は,同センター生化学部長になられたとき,「研究成果がでるまでは箱根を越えて出張しない。落ち着いて研究に専念する」と心に誓われたそうです。この考えを教室作りに活かそうとの思いとは裏腹に,学会や研究会に参加することが多くなっています。しかもさしたる成果を挙げていないので,はたしてこのような現状でよいのだろうかとしばしば反省しています。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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