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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科67巻7号

2013年06月発行

文献概要

特集 過活動膀胱と紛らわしい疾患・病態―鑑別診断のポイント Ⅳ.その他

2.心因性頻尿

著者: 窪田泰江1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野

ページ範囲:P.533 - P.538

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要旨 心因性頻尿は成人では女性に多く,無意識の心理的緊張や精神的不安により頻尿,尿意切迫感,時には切迫性尿失禁を起こす。昼間のみ著しい頻尿をきたすが,睡眠中にはほとんど症状が認められない。また昼間でも何かに集中しているときは尿意を感じないことが多い。診断には,器質的病変,神経学的障害,尿路感染症など,明らかな頻尿の原因となる疾患を除外する必要がある。また排尿日誌も診断に有用であり,早朝一番尿などは十分な蓄尿量を認めるが,覚醒して行動し出すと1回排尿量が減少し,頻尿を認める。治療は心的障害の改善を優先させるが,泌尿器科単独では難しい場合もあり,心療内科や精神科の協力が必要となる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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