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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科68巻1号

2014年01月発行

文献概要

症例

漢方薬による薬剤性膀胱炎の小児例

著者: 曲渕敏博12 濱野敦1 河村秀樹1

所属機関: 1静岡県立こども病院泌尿器科 2公立豊岡病院組合立豊岡病院泌尿器科

ページ範囲:P.75 - P.78

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症例1は5歳,女児。主訴は二次性夜尿,排尿時痛,頻尿。尿路感染症が疑われて抗生剤を投与されたが症状は改善しないため,膀胱鏡検査施行。広範な炎症所見を認め,粘膜生検の病理組織検査は非特異的炎症であった。検査後,以前から柴朴湯を内服していたことが判明し,同薬を休薬したところ,1か月で症状は消退し,尿所見は正常化した。症例2は2歳,女児。主訴は頻尿,排尿時痛,尿混濁。セフェム系抗生剤による治療に抵抗性のため,膀胱鏡検査施行。広範な炎症所見を認めた。検査後,尿抗酸菌検査で塗抹陽性が遷延したが,ポリメラーゼ連鎖反応検査で結核菌および非定型抗酸菌感染は否定的であった。その後他医で漢方薬を3剤処方されていることがわかり,これらを休薬したところ症状,尿所見ともに改善した。

参考文献

1)妹尾博行,今津哲央,本城 充,他:漢方薬,小柴胡湯が原因と思われる無菌性膀胱炎の3例.泌尿器外科9:411-413,1996
2)Chenrui Li, Ge Lin and Zhong Zuo:Pharmacological effect and pharmacokinetics properties of Radix Scutellariae and its bioactive flavones Biopharm. Drug Dispos 32:427-445, 2011
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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