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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科68巻2号

2014年02月発行

文献概要

特集 男性性器疾患を診る―初期対応から専門的治療まで

外傷(陰茎と精巣)

著者: 小谷俊一1

所属機関: 1中部労災病院泌尿器科

ページ範囲:P.141 - P.146

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要旨 陰茎・陰囊・精巣は尿路性器外傷の約10%を占める。その80%は鈍的外力による。陰茎外傷は,①陰茎折症,②陰茎切傷,陰茎裂傷,陰茎挫傷,陰茎剝皮症,③陰茎絞扼症,④陰茎切断の4つである。陰茎絞扼症は6時間以内に絞扼物を解除すると合併症が少ない。陰茎切断は患者背景に精神疾患(特に統合失調症)が多い。陰囊外傷は,①陰囊切傷,陰囊裂傷,陰囊挫傷,陰囊剝皮症。精巣外傷には,①精巣挫傷,②精巣破裂,③精巣脱出症の3つがある。精巣挫傷と精巣破裂との違いは,精巣白膜の連続性の有無であるが,エコーやMRIで鑑別困難な場合は早期に手術で探索したほうがよい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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