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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科68巻2号

2014年02月発行

交見室

結石性腎盂腎炎への尿路ドレナージ

著者: 仲山實1

所属機関: 1与那原中央病院泌尿器科

ページ範囲:P.177 - P.177

文献概要

 67巻10号の「泌尿器科救急疾患―あなたの対処は間違っていませんか?」という興味ある特集の中で,永江浩史先生は尿路結石による尿路閉塞を伴う急性腎盂腎炎における閉塞尿路のドレナージ処置に関して,①重症敗血症の場合,②画像所見で尿排泄が極めて不良の場合(CT,超音波で水腎著明,造影15分以内に尿管排泄なし,など)を挙げている。

 一方,私たちは2008年に本誌に掲載された論文「尿路結石の閉塞性腎盂腎炎における迅速ドレナージの有効性」で,結石性腎盂腎炎は原則として全例,迅速にドレナージを行うべきであると報告した1)。本論文は,結石性腎盂腎炎に対して基本的に抗菌薬による治療を行い,重症例あるいは重症化した例にドレナージを行った施設の後ろ向き調査の結果と,原則として即ドレナージを行った施設での結果を比較したものであり,上記の結論は,全例に迅速ドレナージを行う方針によって,DIC(disseminated intravascular coagulation)の発生が抑制されたことによるものである。

参考文献

1)仲山 實,嶺井定一,向山秀樹,他:尿路結石の閉塞性腎盂腎炎における迅速ドレナージの有効性.臨泌62:129-132,2008
2)高橋康一,松本哲郎:腎重症感染症における保存的治療の限界と外科的治療の適応について.日化学療法会誌51:439-446,2003
3)新垣義孝,仲村信之:上部尿路結石の救急―急性結石性腎盂腎炎230例の検討.日臨救医誌2:333-337,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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