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特集 神経因性膀胱
文献概要
要旨 下部尿路の解剖学的な神経制御機構について,末しょう神経系から順に中枢神経系にかけて解説する。末しょう神経系は副交感神経系(骨盤神経),交感神経系(下腹神経),および体性神経系(陰部神経)で構成される。骨盤神経の求心性線維は有髄Aδ線維と無髄C線維で構成されているが,正常の排尿反射はAδ線維を介している。C線維は正常の状態では活動しておらず,病的状態において切迫性尿失禁などの原因となる求心路を形成する。橋被蓋に排尿中枢が存在する。中脳水道周囲灰白質は「橋排尿中枢」と脊髄求心路を中継しており,排尿反射の促進および抑制に深く関与している。大脳では,島,前頭前皮質,および帯状回などが排尿制御にかかわっている。
参考文献
1)吉田 修,荒井陽一,松田公志:新泌尿器科手術のための解剖学,第1版.メジカルビュー社,東京,pp28-31,p67,2006
2)伊藤 隆,高野廣子:解剖学講義,改訂3版.南山堂,東京,pp39-45,p421,pp633-751,2012
3)Campbell-Walsh Urology, 10th ed. Elsevier, Philadelphia, pp1800-1812, 2012
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